大阪・桃谷のATAKAで、デザイナーの熊谷彰博の版画展「OBJECTS」を11月7日まで開催しています。

独自の視点と考察からリサーチ・コンセプトメイキング・プランニングをはじまりとした統合的なデザインとディレクションを行う熊谷彰博さん。2015年に企画した無印良品 池袋西武の企画展「STOCK展 —気づきを、備える」では、とるにたらないものの収集と動機から人とものの関係性を探り、それ以降、ひとと物のつきあい方、物の価値が変わることを探求してきました。

本展では、木の板目、柾目、木口の面を再構成し、立体的な木材を表現した作品「木目版画」の展示・販売を行います。「木目版画」は、“木”の情報である素材の肌理（木目・きめ）を版として捉え、世界最古の印刷技術の木版画により、木目の情報を再構築した作品です。木のそのままの姿形が生かすために、刷りでは、刷り方や道具を版ごとに分けて複数制作。木目を透視図法（大和絵）に組み合わせることで、立体や3D CADを見ているような錯覚が生まれ、物の見方、視点を変えることに関心をもつ熊谷ならではの作品となっています。

「木目版画」の平面的な構造と自然物の生き生きとした曲線の美しい対比は、これまでのものの見方とは違う気づきを与えてくれるでしょう。

《本文は公式サイト紹介文より抜粋／一部編集》