生誕100年 ジャン=ピエール・メルヴィル、暗黒映画の美

『恐るべき子供たち』オリジナル・ポスター(1950年) 『恐るべき子供たち』オリジナル・ポスター(1950年)

映画監督、ジャン=ピエール・メルヴィル。その名はフランス映画の歴史の中でも特別な輝きを放っている。少年期からアメリカ映画に傾倒、助監督修業を経ずにまったくの自主製作で長篇デビュー作『海の沈黙』を送り出したメルヴィルは、ジャン・コクトーの依頼による『恐るべき子供たち』の映画化などで頭角を現し、そのインディペンデント魂は若きヌーヴェル・ヴァーグの監督たちから敬愛された。

やがて優れた暗黒映画のつくり手として認められ、『いぬ』、『ギャング』、『サムライ』、『仁義』といった硬質の犯罪映画、そして対独レジスタンス経験に根差した戦争大作『影の軍隊』などは、フランス映画に一時代を築く。とりわけジャン=ポール・ベルモンド、アラン・ドロンという二大スターは、メルヴィル作品とともに新境地を開いたといっても過言ではない。善悪を合わせ持った複雑な人間像を描き出し、男たちの絆と裏切りをドラマに塗り込めたメルヴィルは、日本を含む現代のアジア映画にも強い影響を与えている。

メルヴィルが生誕100年を迎えるこの2017年、フィルムセンターは、ドキュメンタリー『コードネームはメルヴィル』の監督、オリヴィエ・ボレールが長年収集してきた資料を中心に、その孤高の生涯と業績を振り返る。「PFF(ぴあフィルムフェスティバル)」や角川シネマ新宿での代表作の上映、アンスティチュ・フランセ東京での上映やイベントとあわせ、メルヴィルの“黒”の世界に触れてみてはいかがだろうか。

【関連イベント】
●トークイベント
※申込み不要、参加無料(展示室内で開催のトークは観覧券が必要)

「ノワール映画の系譜-フランスから香港へ」
日時:9月30日(土) 15:00~
場所:東京国立近代美術館フィルムセンター 展示室ロビー(7F)
講師:野崎歓(東京大学文学部教授)

※その他の関連イベントは、下記詳細URLをご覧ください。

開催期間 2017/09/26(火)~2017/12/10(日)
※イベント会期は終了しました
時間 11:00~18:30(入室は閉室30分前まで)
休館日 月曜日
入場料 一般250円/大学生・シニア130円/高校生以下および18歳未満・障害者(付添者は原則1名まで)・MOMATパスポートをお持ちの方・キャンパスメンバーズは無料
参加アーティスト ジャン=ピエール・メルヴィル
会場
  • 東京国立近代美術館フィルムセンター
  • 展示室
  • 東京都中央区京橋3-7-6
会場URL http://www.momat.go.jp/fc/
詳細URL http://www.momat.go.jp/fc/exhibition/melville/