国内外から注目を集めるアーティストグループ「ヒスロム」の表現活動を紹介する国内初の大規模な展覧会「ヒスロム　仮設するヒト」が、せんだいメディアテークで開催される。

ヒスロムは、加藤至、星野文紀、吉田祐の3人によって構成され、「フィールドプレイ」と称した身体によるアクションを各地で行っている。野外を中心とした彼らの活動は、失われた土地と身体との接点を再び見出そうとしているかのようにみえる。あるいは、おおむね所有され管理されたこの社会のなかで、何にも属さない未知の空き地を探す行為のようでもある。このようなヒスロムの表現は、私たちが自らを規定する近代的な人間像を解体し、この世界に存在することへの前向きな意思を込めて、一時的で仮設的なヒトのあり方を示していると捉えられるのではないだろうか。

ヒスロムは今回、映像や立体など多様な記録物によって、およそ10年にわたる活動を総覧させるとともに、展示空間全体をひとつの作品としてつくり上げる。1000m²の空間を使って展示されるのは、ヒスロム自身による巨大なアーカイブであり、せんだいメディアテークの理念や空間との対話によって生み出された一回性のインスタレーションでもある。本展では、これらのヒスロムの活動を通して、まもなく終わる平成期を振り返りながら、次なる時代にむけた展覧会のかたちを試行する。

【関連イベント】
●ギャラリーツアー
日時：11月3日（土）、11月17日（土）、12月8日（土）　各日14:00～16:00

●ヒスロムによる「作業」
日時：
12月21日（金）～12月26日（水）　各日19:00～19:45
12月27日（木）～12月28日（金）　両日18:00～19:45