花森安治の仕事 デザインする手、編集長の眼

中吊り広告「暮しの手帖 1 世紀99 号」 1969 年2 月 世田谷美術館蔵 中吊り広告「暮しの手帖 1 世紀99 号」 1969 年2 月 世田谷美術館蔵

終戦まもない1948年、NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』の主人公のモチーフとなった大橋鎭子とともに、生活家庭雑誌『美しい暮しの手帖』(のちの『暮しの手帖』)を創刊した花森安治。「衣・食・住」を基本にすえた同誌では、もののない時代には工夫とアイデアによる豊かな暮しを提案、電化製品が普及した高度成長期には「日用品の商品テスト」を実施した。

さらに、食品添加物や公害問題が叫ばれた70年代には、社会の矛盾を鋭くえぐる批評を誌面で展開し、ペンで権力に挑んだ。30年間にわたり一切広告を入れず、発行100万部に迫るまでに成長した『暮しの手帖』を率いて、表紙画やカット、誌面レイアウト、広告デザインなど、取材や執筆はもとより、雑誌の制作から宣伝まで、すべてを手掛けたのが編集長・花森安治だった。

本展では、表紙原画をはじめとする約740点の作品・資料が展示され、戦後日本の出版文化に計り知れない影響を与えた『暮しの手帖』が、庶民に向けて発信したメッセージに改めて耳を傾ける。また、戦時中の大政翼賛会での仕事にも着目しつつ、花森が全身全霊をかけて打ち込んだ出版活動を、ひとつの雑誌を超えた「運動」として捉え、その多彩な仕事が紹介される。

【関連イベント】
●開催記念講演会
「花森安治の『暮しの手帖』」
講師:小榑雅章(『暮しの手帖』元編集部員)
日時:9月10日(日) 14:00~15:30

「最新号に息づく花森安治」
講師:澤田康彦(『暮しの手帖』編集長)
日時:9月30日(土) 14:00~15:30

●ギャラリートーク
日時:9月8日(金)、9月22日(金)、10月6日(金) 各日14:00~(30分程度)

●ワープショップ「自分だけの手帖を作ろう!」
日時:9月23日(土・祝) (1)10:00~12:00(2)13:00~15:00(3)15:30~17:30

開催期間 2017/09/02(土)~2017/10/15(日)
※イベント会期は終了しました
時間 9:30~18:00(9/22は21:00まで/いずれも入館は閉館30分前まで)
休館日 月曜日(ただし、9/18、10/9は開館)、9/19、10/10
入場料 一般1,000円/高校生・学生600円/小学生・中学生400円/療育手帳・身体障害者手帳・精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方およびその付き添いの方1名は半額
参加アーティスト 花森安治
会場
  • 岩手県立美術館
  • 企画展示室
  • 岩手県盛岡市本宮字松幅12-3
会場電話番号 019-658-1711
会場URL http://www.ima.or.jp/
詳細URL http://www.ima.or.jp/exhibition/temporary/20170902_1015_ex02.html