食のグラフィックデザイン

Takumi Miyagi, Eri Nagamine / Helvetica Design inc. Takumi Miyagi, Eri Nagamine / Helvetica Design inc.

※新型コロナウイルス感染拡大防止にともない、会期が変更となりました(主催者発表)

本展ではCCGA収蔵のDNPグラフィックデザイン・アーカイブから、食に関するグラフィックデザインの作品を紹介します。

食事は生物の根幹をなす活動であり、自分という存在を作り上げる基盤となるものです。近年、食に対する人々の関心は以前にもまして高まっているようです。大きな災害が毎年のように発生し、これまで当然と思われた生活が根底から覆るような事態になることも珍しいことではありません。それゆえ人々に生活の基本を見直す意識が芽生え、自らの身体を作るものとして食への関心が深まっているのでしょう。その関心の対象は美食やグルメといった味の良し悪しにとどまりません。栄養価や安全性はもとより、生産地や生産者、フェア・トレードやフード・マイレージといった食品の取引や流通など多岐に及んでいます。またグローバル化、情報化により、異なる食文化への理解も進みはじめています。

日本では地域ごとに、土地の歴史とも密接にかかわる多彩な食材が受け継がれ、豊かな食文化を築いてきました。しかし高齢化や人口の減少などにより、農業や漁業といった食を支える一次産業の担い手が減少している事実が、食の未来に影を落としています。食の現状には、地域コミュニティの変化や異文化交流、格差社会、テクノロジー化、グローバル社会や経済など、現在社会を取り巻くさまざまな状況がかかわっています。食の問題はこれからの人々の生活や社会の未来を探るうえで、欠かせないものといえるでしょう。

ポスターをはじめとするグラフィックデザインには、時代を反映した多くの食の表象を見ることができます。戦後間もないころのチョコレートのポスターからは、甘いお菓子に対するあこがれや喜びを感じられます。野菜や果物そのものが美しく表現された作品には、大地への感謝や畏敬の念が含まれているかのようです。また食をモチーフとして社会への問題提起をおこなうポスターからは、身近なものだからこそ心に刺さる表現が生まれます。人々の生活や社会と不可分の存在であるグラフィックデザインだからこそ、食、ひいては生活全般に対する人々のイメージが色濃く反映されるのでしょう。

デザイナーたちが食の力を伝えるべく思い思いに腕をふるったポスターや雑誌などを展示し、そこに見られる表現を通して、現代の食と人間との関係性を探ります。

《本文は公式サイト紹介文より抜粋》

開催期間 2020/03/01(日)~2020/06/28(日)
※イベント会期は終了しました
時間 10:00~17:00(入館は閉館15分前まで)
休館日 月曜日(ただし5/4を除く)、4/30、5/7
入場料 一般300円/学生200円/小学生以下と65才以上、および障害者手帳をお持ちの方は無料
会場
  • CCGA現代グラフィックアートセンター
  • 福島県須賀川市塩田宮田1
会場電話番号 0248-79-4811
会場URL http://www.dnp.co.jp/gallery/ccga/
詳細URL http://www.dnp.co.jp/CGI/gallery/schedule/detail.cgi?l=1&t=3&seq=00000756