エミール・ガレ-自然の蒐集

エミール・ガレ《蜻蛉文脚付杯」》1904年頃 ヤマザキマザック美術館蔵 エミール・ガレ《蜻蛉文脚付杯」》1904年頃 ヤマザキマザック美術館蔵

ポーラ美術館で、およそ10年ぶりにエミール・ガレの展覧会が開催される。ガラス工芸の分野におけるアール・ヌーヴォーの旗手として知られるガレは、文学や哲学、修辞学、音楽、植物学、鉱物学、そして生物学といった多岐にわたる関心を有しており、ガラスの造型と意匠にその博識をいかんなく発揮した。とりわけガレを魅了したのが、「森」と「海」、このふたつの自然の源泉だった。

チャールズ・ダーウィンの著作『種の起源』が出版されたのは1859年のことだ。ダーウィンの主張した進化論の影響を強く受けながら、自らも植物の研究を続けたガレは、昆虫や植物の住処である「森」を生命の象徴であると捉えていた。1870年に出版されたジュール・ヴェルヌの『海底二万里』の流行に代表されるように、19世紀後半は海洋学や海の生物についての関心が一際高まった時代でもあった。「海」もまた「森」同様に、芸術家にとって欠くことのできない自然の源泉のひとつであった。自然はアール・ヌーヴォー期の意匠として大流行したが、ガレほど自然に関する博識を駆使して作品を制作した芸術家は、ほかにいない。自然のさまざまなかたちや意匠をふんだんに自作に取り入れる芸術家の行為は、自然を蒐集するコレクターのそれになぞらえることができるだろう。

本展では、ガレの芸術を初期から晩年まで辿りながら、「森」と「海」というふたつのキーワードを通じて、ガレによる自然の蒐集行為を検証する。

開催期間 2018/03/17(土)~2018/07/16(月)
※イベント会期は終了しました
時間 9:00~17:00(入館は閉館30分前まで)
休館日 年中無休
入場料 大人1,800円/65歳以上1,600円/大学・高校生1,300円/中学・小学生(土曜日無料)700円/障害者手帳をお持ちのご本人及び付添者(1名まで)1,000円
参加アーティスト エミール・ガレ
会場
  • ポーラ美術館
  • 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
会場電話番号 0460-84-2111
会場URL http://www.polamuseum.or.jp/
詳細URL http://www.polamuseum.or.jp/exhibition/20180317s01/