スイスの写真家、ダニエル・シュワルツの写真展「ダニエル・シュワルツ写真展－de glacierum natura」が、スイスのシステム家具メーカー『USM モジュラーファニチャー』のショールームで開催されている。

フォトジャーナリストとして、世界の紛争地の現状から悠久の歴史や大自然がもたらす光景まで、独自のモノクロの世界で捉えるダニエル・シュワルツ。本展では、スイス、パキスタン、ペルー、ウガンダの氷河に焦点を当てている。

長い時を経て形成され、「水」という限りある資源の貯蔵庫でもある氷河は、気候の歴史の記録でもある。人間の生み出した地球温暖化の代償として、世界的に氷河の面積と体積は減少し、20世紀中頃からその減少速度はさらに加速している。それらがもたらす結果は、氷河の変化から目に見えて感じられる。数年、または数十年の時を経て昔に出会った氷河を見に訪れると、その期間に失われたものの大きさを改めて知ることとなる。また、氷河の融解によって過去が浮き彫りになることもある。氷河は記憶が眠る場所であると同時に、その消えゆく姿が私たちに未来をつきつけているのである。

本展は、世界各国のUSM ショールームを巡回し、日本が最終となる。期間中は、写真の展示とともにホワイトとガラスのパネルで氷河をイメージしたUSM ハラーの特別展示が行われる。