NEW VISION SAITAMA 5 迫り出す身体

中園孔二《無題》2012年(個人蔵)© Koji Nakazono, Courtesy of Tomio Koyama Gallery 中園孔二《無題》2012年(個人蔵)© Koji Nakazono, Courtesy of Tomio Koyama Gallery

「ニュー・ヴィジョン・サイタマ」は、活躍中の埼玉県ゆかりのアーティストに焦点をあて、今日の美術動向をリサーチすることを目的に継続してきた展覧会である。5年ぶり5回目の開催となる今回は、「迫り出す身体」を副題とし、1980年代生まれの新進気鋭のアーティスト7名の作品を通して、多様化する日本の現代アートの一断面を浮かび上がらせる。

情報化が高度に進展した今日、私たちの生活や意識もテクノロジーの進歩に合わせて大きく変容している。手のひらの上の端末を通してあらゆる情報を摂取し、また発信できる時代において、直接の体験から何かを実感する、あるいは、温もりや重さといったなまの感覚を通して世界を理解することへの欲求は増しているはずである。

本展に参加する7名のアーティストは、クールな情報として世界を認識するのではなく、各々に固有の身体を拠りどころとして眼前の世界に触れ、その経験や感覚を作品に昇華させている点に特徴がある。カンヴァスに線を引き色を乗せる、一本の材からかたちを彫りだす、自らの行為や身振りを映像にとどめ作品化する、原初的な写真技法を用いて不可視のものに実体を与える。それぞれの媒体と手法は異なるが、その作品群は複雑さを増す世界の姿を自らの手の届く限り掬いあげようとする真摯な試みの証といえる。

本展では、同時代を生きる若き表現者の制作を、本展のための新作を交えて紹介する。7つの身体を経由してまだ見ぬ新たなイメージが立ち現われる現場を皆さまと共有できれば幸いである。

【関連イベント】
●アーティスト×クロス×トーク
場所:2階展示室
※企画展観覧券が必要

小畑多丘×宇多丸(RHYMESTER/ラッパー、ラジオパーソナリティ)×松下 徹(アーティスト)
日時:10月23日(日) 15:00~16:00

青木真莉子×秋山幸(画家)×戸田祥子(美術作家)
日時:10月30日(日) 13:00~14:00

二藤建人×粟田大輔(美術批評)
日時:11月3日(木・祝) 15:00~16:00

小左誠一郎×兼平彦太郎(キュレーター)
日時:11月5日(土) 15:00~16:00

鈴木のぞみ×新井卓(写真家)
日時:11月6日(日) 15:00~16:00

開催期間 2016/09/17(土)~2016/11/14(月)
※イベント会期は終了しました
時間 10:00~17:30(入場は閉館30分前まで)
休館日 月曜日(9/19、10/10、11/14は開館)
入場料 一般1,100円/大高生880円/中学生以下、障害者手帳をご提示の方(付き添いの方1名を含む)は無料
参加アーティスト 青木真莉子、小左誠一郎、小畑多丘、鈴木のぞみ、高橋大輔、中園孔二、二藤建人
会場
  • 埼玉県立近代美術館
  • 埼玉県さいたま市浦和区常盤9-30-1
会場電話番号 048-824-0111
会場URL http://www.pref.spec.ed.jp/momas/
詳細URL http://www.pref.spec.ed.jp/momas/?page_id=334