ナムジュン・パイク展、没後10年、2020年笑っているのは誰?

ナムジュン・パイク展、没後10年、2020年笑っているのは誰?

「ビデオアートの父」として知られる20世紀最大の芸術家ナムジュン・パイク(1932-2006)。東京大学卒業後、現代音楽を学ぶべく渡独、ジョン・ケージやジョージ・マチューナスとの出会いから、国際的な芸術運動フルクサスへと参加する。

1963年に世界初のビデオアート作品を発表、再来日して阿部修也氏と共にビデオシンセサイザーやアートロボット『K-456』を制作、1964年にニューヨークへと渡る。チェリストのシャルロット・モーマンとのパフォーマンス『ロボット・オペラ』(1964)、ミュージックビデオに多大な影響を与えた映像作品『グローバル・グルーヴ』(1973)、禅寺の石庭をテレビへと置き換えた『TVガーデン』(1974)など、テクノロジーと仏教的世界観を融合した作品を発表、さらに現在のインターネットの原型となる『エレクトロニック・スーパーハイウェイ』(1974)を構想する。世界中で同時発生するパフォーマンスを同時配信するサテライト・アート『グッド・モーニング、ミスター・オーウェル』(1984)では、全体主義国家によって分割統治された近未来を描いた小説『1984』の著者ジョージ・オーウェルへと返答した。

本展示は230点におよぶインスタレーション、映像作品、ペインティング、ドローイング等を前後半に分けて展示し、さらにアーティスト自身の手による未発表原稿や、永平寺にて制作したビデオ、筑紫哲也によるTVインタビュー映像などを加えることで、パイクの人間像や思想的背景を浮かび上がらせる壮大な試みである。1961年に出会ったドイツ人アーティスト、ヨーゼフ・ボイスとの生涯を通じての共同制作『ユーラシア』に関しては、特別に展示室を設けた。

【関連イベント】※すべて要予約
●トークイベント
「K-456からガダルカナル鎮魂歌まで – 輪廻するパイクのサイバネティック・アート」
渡辺真也(ベルリン芸術大学博士課程・本展共同キュレーター)
日時:8月14日(日) 19:00~21:00

「二期二会ふたたび」
浅田 彰(批評家、京都造形芸術大学大学院学術研究センター所長)
日時:9月2日(金) 19:00~21:00

「ナムジュン・パイクと仏教思想?」
稲賀繁美(比較文化学者、国際日本文化研究センター副所長)
日時:10月7日(金) 19:00~21:00

「ヨーゼフ・ボイスとナムジュン・パイクのユーラシア」
渡辺真也(ベルリン芸術大学博士課程、本展共同キュレーター)
日時:10月28日(金) 19:00~21:00

「音と時間について/テクノロジーについて/物質について/暴力について/東洋と西洋について」
宇治野宗輝(アーティスト)
日時:11月25日(金) 19:00~21:00

「ユーロ=アジアを横断する民族の<生命デザイン>―ケルト・シベリア・韓国・日本へ―」
鶴岡真弓(多摩美術大学・芸術学科教授、芸術人類学研究所所長)
日時:12月2日(金) 19:00~21:00

【会期】
●前半/2016年7月17日(日)~10月10日(月・祝)
●後半/2016年10月15日(土)~2017年1月29日(日)

開催期間 2016/07/17(日)~2017/01/29(日)
※イベント会期は終了しました
時間 11:00~19:00(水曜日は21:00まで)
休館日 月曜日(ただし、2017年1/9は開館)、10/11~10/14、12/31~2017年1/3
入場料 大人1,000円/学生(25歳以下)800円/小・中学生500円/70歳以上の方700円
参加アーティスト ナムジュン・パイク
会場
  • ワタリウム美術館
  • 東京都渋谷区神宮前3-7-6
会場電話番号 03-3402-3001
会場URL http://www.watarium.co.jp/
詳細URL http://www.watarium.co.jp/exhibition/1608paik/index.html