あったかもしれない椅子、たぶんウォルトディズニー、ほぼアイスクリーム、いま表参道

青崎伸孝は、2005年にニューヨークに渡り、School of Visual ArtsやHunter Collegeで学んだのち、現在もニューヨークを拠点に制作を続けている作家です。さまざまな人種や国籍、文化背景を持つ人々が生活するニューヨークにおいて、多様な価値観やアイデンティティとその形成について、コンセプチュアルな手法を用いた作品で、その有り様を実証しています。
いくつものスターバックスのカップに店員の聴き誤りによる青崎の名前が書かれている《Names on Starbucks Cups》(2011-)で、青崎はこの複数の本来とは異なる名付けられた名前に、自身の存在を重ね、異文化間の誤読や誤解をポジティヴに受け止め、その集積が自身のアイデンティティの形成に寄与していることを示唆し、同時に他者からの認識がそれぞれの異なる文化背景からくる豊かなイマジネーションによって支えられていることを表わしました。
また、人々の記憶や想いによって描きだされたもうひとつのマンハッタンの地図《From Here to There》(2012-ongoing)では、街ゆく人々に道を訊き、描いてもらった地図の断片とその集積によって、それぞれの都合や思い入れで人々の頭のなかに生成された本来の姿とは異なるもうひとつのマンハッタンの姿を表出させ、青崎は、ここでもまた、アイデンティティが自身の主張だけでなく、コミュニケーションにおける齟齬や誤解によっても更新されていくことの可笑しみや豊かさを表現し、多様な価値観や文化背景を持った人々が共存する現代社会のありようそのものについて考えをめぐらせています。
こうしたコンセプチュアルかつユニークな手法を通して、コミュニケーションによるアイデンティティの形成や、その際の想像性や作用について示唆してきた青崎は、本展では、破り捨てられていたドローイングの失われた部分を描き足し、修復して全体を完成させた《Recovered Paintings》(2015-2019)や、街で拾った買い物メモをもとに商品を買い揃え、メモの持ち主のポートレイトとして構成した《Groceries Portraits》(2018-) など、ニューヨークの街で偶然出会った見知らぬ誰かの断片から、その人の生活背景を想像する2つのシリーズと未発表作品を展示。また、新作として今回東京滞在中に制作した《Lost in Translaton》と、《Walking on Broadway》の表参道版ヴァージョンを発表しています。
《本文は公式サイト紹介文より抜粋》
開催期間 |
2019/06/07(金)~2019/06/28(金) ※イベント会期は終了しました
|
---|---|
時間 | 14:00~19:00 |
休館日 | 月曜日 |
入場料 | ※詳細は公式サイトを参照ください |
参加アーティスト | 青崎伸孝 |
会場 |
|
会場電話番号 | 03-5411-0080 |
会場URL | https://www.voidplus.jp/ |
詳細URL | https://www.voidplus.jp/post/185362146988/more |