VOL.5 Collection/2023年春夏

2022

【THEME】
Knit-ware
Blueprint

サイエンスフィクションは、ときに未来を予⾔してきました。しかしそれは決して偶然の成果ではなく、鋭敏な観察眼と美意識を持つ⼈々が描く未来計画だったのでしょう。機能性の象徴のようなタイトなスーツも、あるいは新たな美意識の存在を彷彿とさせる異型のシルエットも、描かれてきた未来⼈のスタイルは現実に迫ってきているかもしれません。

現代⽣活のための⾐服を構築するとは、改めてファッションを捉え直すことです。産業構造やライフスタイルの洞察はもちろん、未来予想図を描く作業でもあります。宇宙から地球を⾒つめるように、科学と空想を⾏き来するように。今の時代に必要な⾐服のあり⽅を、CFCLはKnit-wareとして提⽰します。

【代表的なアイテム】
■DF HIGH GAUGE
強いストレッチ加⼯を施した再⽣ポリエステルを⽤いて、ネオプレンのようなダブルフェイス組織をハイゲージで編み⽴てました。コンピュータープログラミングニットならではの編み端を活⽤し、⾒返しや裾の折り返しがない軽やかな⼀枚仕⽴てのデザイン。

■POTTERY LUCENT
CFCLのアイコニックなPOTTERYシリーズより、再⽣ポリエステルと半透明ナイロン⽷を組み合わせた、近未来的で涼しげな透過するニットドレス。作成したプログラミングデータから、3Dプリンターのように直接ドレスを出⼒しています。シームレスでストレッチ性が⾼いため、あらゆる体型にフィットするデザインです。

■FAÇADE LUCENT
複雑なテクスチャであるファサードシリーズは、⾼層ビルやモダニズム建築の窓、あるいは宇宙ステーションのソーラーパネルなど、均⼀に配列された構造物から着想。表側に再⽣ポリエステル、裏側に半透明ナイロン⽷を⽤いた袋編みを基本構造としています。縫製後に製品をお湯で洗濯すると、熱湯で溶ける⽷を使⽤した部分の編み地がカールし、まるで建築における梁のような構造を⽣み出します。

CFCL VOL.5 Collection “Knit-ware: Blueprint”
⾼橋悠介(CFCL代表兼クリエイティブディレクター)

⾼橋悠介(CFCL代表兼クリエイティブディレクター)

1985年⽣まれ、東京都出⾝。⽂化ファッション⼤学院⼤学修了後、2010年株式会社三宅デザイン事務所⼊社。2013年にISSEY MIYAKE MENのデザイナーに就任し、6年にわたりチームを率いる。2020年同社を退社後、株式会社CFCLを設⽴。2021年第39回毎⽇ファッション⼤賞 新⼈賞・資⽣堂奨励賞およびFASHION PRIZE OF TOKYO 2022を受賞。2022年よりパリ・ファッションウィークに参加。
https://cfcl.jp/

Photo:Yosuke Suzuki

2024/7/17 10:00