第301回 ⾼橋悠介 (CFCL代表兼クリエイティブディレクター)

[齋藤精一の推薦文]

ファッションはデザインのチカラでまだまだ進化する。

素材(リサイクル素材の導入)、技術(最新のニットマシンでの制作)、働き方・ビジネス(B Corp取得の企業)などさまざまな方向から着るファッションだけではなく、いまの社会にあるべきファッションブランドのあり方をも提案するCFCL高橋さんによる進化はまだまだ始まったばかり。今後のさまざまな展開も目が離せないブランドである。

齋藤精一(パノラマティクス主宰)

建築デザインをコロンビア大学建築学科で学び、2006年、株式会社ライゾマティクス(現:アブストラクトエンジン)を設立。社内アーキテクチャ部門を率いた後、2020年に「CREATIVE ACTION」をテーマに、行政や企業、個人を繋ぎ、地域デザイン、観光、DXなど分野横断的に携わりながら課題解決に向けて企画から実装まで手がける「パノラマティクス」を結成。2023年よりグッドデザイン賞審査委員長。2025年大阪・関西万博EXPO共創プログラムディレクター。

https://panoramatiks.com/

編集部からの推薦文
ファッションブランドというと、デザイナー名=ブランド名であることが多い印象だが、CFCLは「Clothing For Contemporary Life(現代生活のための衣服)」の頭文字からつけられた。過去に高橋さんは別のメディアの取材で「自分の美意識を表現するのではなく、社会のために服をつくりたい」と発言しており、各コレクションのテキストでも社会とつながり、いま必要な服を、という意思が一貫して伝わってくる。予測が難しいいまの時代だが、これから先もその時々の現代生活のための衣服を提示してくれるはずだ。
⾼橋悠介(CFCL代表兼クリエイティブディレクター)

⾼橋悠介(CFCL代表兼クリエイティブディレクター)

1985年⽣まれ、東京都出⾝。⽂化ファッション⼤学院⼤学修了後、2010年株式会社三宅デザイン事務所⼊社。2013年にISSEY MIYAKE MENのデザイナーに就任し、6年にわたりチームを率いる。2020年同社を退社後、株式会社CFCLを設⽴。2021年第39回毎⽇ファッション⼤賞 新⼈賞・資⽣堂奨励賞およびFASHION PRIZE OF TOKYO 2022を受賞。2022年よりパリ・ファッションウィークに参加。
https://cfcl.jp/

Photo:Yosuke Suzuki