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2015 / ◯◯◯も◯◯◯も◯◯◯も 展:◯◯◯も◯◯◯といえる

東京ミッドタウン・デザインハブでおこなわれた、「〇〇〇も〇〇〇も〇〇〇も展」のために制作した作品です。

ギャラリーの入り口付近に置かれた観光望遠鏡をのぞくと、目の前には50m離れた場所に置かれた1台のコンピュータがあらわれ、望遠鏡側の手元にあるマウスとキーボードを操作すると、遠く離れたコンピュータを操作でき、自由にネットサーフィンができるようになっています。

途中、他のお客さんが、望遠鏡とコンピュータの間に立ってしまい画面が見えなくなったり、カーソルが思うように動かなくなったり、いつもやり慣れたインターネットは、50mという距離によってぎこちなく、よそよそしいものになってしまいます。

遅く不便だった昔のインターネットは、スマホの普及やさまざまなウェブサービスの登場によって、今ではぐっと私たちにとって身近になりました。しかし、誰もがいつでもどこにいてもインターネットの中にいる時代になった今、なぜか前よりも窮屈になっている気もします。この作品は失われつつある「インターネットと距離」について探求したものです。

インターネットは主観的な情報の集まる傾向が強いメディアなため、あえて閲覧する行為のなかに、他人が割り込んでしまうような体験を設計しました。この装置を通して体験するインターネットは、自分の思い通りにいかない残念なものですが、情報を前のめりに吸収しようとしていたあの頃の姿を思い出すことができるかもしれません。

【スタッフクレジット】
撮影/長谷川健太
Special thanks:Covac Inc.

■エクスプローラー(アマゾンにいくぞー!)
http://shunyahagiwara.com/2015/explorer/

萩原俊矢(Webデザイナー)

萩原俊矢(Webデザイナー)

1984年神奈川生まれ。プログラムとデザインの領域を横断的に活動しているウェブデザイナー/プログラマ。2012年、セミトランスペアレント・デザインを経て独立。ウェブデザインやネットアートの分野を中心に企画・設計・ディレクション・実装・デザイン・運用など、制作にかかわる仕事を包括的におこなう。多摩美術大学統合デザイン学科非常勤講師。 IDPW.org 正会員として文化庁メディア芸術祭新人賞を受賞。
http://shunyahagiwara.com/

2017/5/29 13:00