萩原俊矢 (Webデザイナー)

目まぐるしく変化するインターネットと、社会との向き合い方をさまざまな手法で探求しているのが、Webデザイナー/プログラマの萩原俊矢さんだ。2012年にセミトランスペアレント・デザインを経て独立し、デザインとプログラミングの周辺で活動してきた。とはいえ、デザインとプログラミングだけが彼の領域ではない、企画・設計・運用にいたるまで、制作に関わる仕事を包括的に行うのが萩原さんらしさだ。「東京大学生産技術研究所」と「インターネットヤミ市」、この2つの事例の振り幅を見ても、相当ユニークというかウイットに富んでいるのがわかるだろう。

(JDN編集部)

制作中によくかける曲
仕事中はアンビエントやドローンメタルのような、あまり抑揚のない曲を聴いています。しっかりプログラムや文章を書くような、特に集中したいときは、「Noizio」というアプリで生成した音を、ノイズキャンセリングのイヤフォンで小さな音で聴いています。ノイズを小さく流した上に、 普通に音楽をかけると、簡易的なノイズキャンセリング効果が得られるので、カフェなど外で作業しているときには重宝するテクニックです。
よく見るWebサイト
最近は SNSやマガジンサイトが多くなってきていて、「Webサイト」を繰り返し見るようなことは少なくなりました。ただそんななかでも友人のアーティスト Rafael Rozendaal の作品は好きです。彼はひとつのドメインに、ひとつインタラクティブな表現を設置してそれを作品とする、「one-piece-in-a-domain」と呼ばれる形式のシリーズを、長く発表している作家です。どのドメインも小さな気づきを与えてくれて、たまにみては癒やされています。

http://www.newrafael.com/websites
仕事に欠かせない道具
まずインターネットとノートパソコン(MacBook)です。それから、遠隔でいろんなかたと一緒に仕事をしているので、 GitHub、Slack、invision、 appear.in といったコミュニケーションのための道具が活躍しています。

開発に関するものはたくさんありますが、最近のお気に入りは JPEG mini Pro という画質を保ったまま軽量化するアプリです。それを使って画像を圧縮すると、データがみるみる「物理的」に軽くなっていくような感覚がするんです。削っている感じが気持ちよくてつい使ってしまいます。
子どもの頃になりたかった職業
あまり具体的な憧れの職業はありませんでしたが、実家で祖母と母が写真館を営んでいて、父が商業カメラマンだったこともあり、小さい頃は漠然と自営業やお客さんを相手にする商売に親しみを感じていました。
犬派?猫派?
GIF アニメーションで見るなら猫派です。猫アレルギーだし、犬をむかし飼っていたので、現実世界では断然犬派です。
萩原俊矢(Webデザイナー)

萩原俊矢(Webデザイナー)

1984年神奈川生まれ。プログラムとデザインの領域を横断的に活動しているウェブデザイナー/プログラマ。2012年、セミトランスペアレント・デザインを経て独立。ウェブデザインやネットアートの分野を中心に企画・設計・ディレクション・実装・デザイン・運用など、制作にかかわる仕事を包括的におこなう。多摩美術大学統合デザイン学科非常勤講師。 IDPW.org 正会員として文化庁メディア芸術祭新人賞を受賞。
http://shunyahagiwara.com/