Whouse

風と光を感じられる、奥行のある空間

愛知・名古屋にある、築28年のマンションをリノベーションした「Whouse」。

設計は、名古屋に拠点を置く建築事務所、YLANG YLANG(イラン イラン)が担当しています。全体的に色味を抑えたという空間の特徴などについて、コメントをいただきました。

■背景

クライアントに家族が増えたことをきっかけに、リノベーション前提で物件探しをはじめました。たどり着いたのは名古屋の中心地に位置する築28年のマンションでした。115m2という広さを活かしながら、家族間の心地よい距離を模索していきました。

■コンセプト

クライアントの家族構成は、ご夫婦+子供1人+猫1匹。もともとは従来型マンション特有の、間仕切りで本来の広さと奥行を感じることができない物件でした。

そこで、レイアウト計画として水回りをセンターコアとし、その周辺を回遊できる間取りとしました。風が通り、奥側の光も感じられる奥行のある空間となりました。

Whouse

また、高さよりも奥行を意識して全体の色を抑え、時間とともに流れる光と影や手触りなど、五感に訴える素材使いを行っています。玄関に足を踏み入れると、奥へと誘うアールの壁と、この空間のために製作したプリミティブなレンガが、日常の中の自分だけの特別な空間を感じさせてくれます。

Whouse

■課題となった点、手法、特徴

課題のひとつに、家族みんながリビングで過ごすことができ、かつ同じ空間にいながら別のことができるようにしたいという、若干相反する要望がありました。その要望に対し、9mの間口を活かしてLDKを配置し、ソファのある方をメインリビング、それと相対する方をセカンドリビングとしました。3.4mのキッチンを中央に設けることで家事をしながら全体が見渡せ、自然と家族がキッチンに集まる様子を思い描きながらプランを考えました。

Whouse

スチールサッシ越しに見える書斎については、「籠った空間よりも家族の気配を感じたい」というクライアントの要望に対し、より空間に広がりと変化をもたらしてくれています。

Whouse
所在地 愛知県名古屋市
設計 YLANG YLANG
施工 ライフマインド
延床面積 115m2
竣工日 2021年5月
撮影 大谷宗平/ナカサアンドパートナーズ