Turning the Architectural Structure Into a Huge Fixture

ラケットスポーツの博物館のような空間

デザインコンセプト
担当:松本哲哉(KTXアーキラボ/マツヤアートワークス)

創業30年を迎えるワダスポーツの本社・本店の新築移転計画。同社は、独自のガット張り技術である、「和田張」を用いたラケットの工房でもある。

店内には、ラケットを模した巨大な楕円形の構造物が座しているが、これはこの建物の柱・梁を担う実際の構造体でもある。楕円吹抜下には商品となるラケットがオリジナルの什器に並ぶ。ラケットは手に取りやすいようシリーズごとに並べ、グリップの感触、太さ、重さの違いを1本1本握って確かめられるように設計している。

楕円吹抜上部はさまざまなラケットのディスプレイとなっており、木製のビンテージラケットや有名選手が試合で使用したもの、先般の東北大震災の中、奇跡的に姿を留めていたラケットなど、全国から集められた数々の貴重なラケットが展示され、店内はまるで博物館のようになっている。

ワダスポーツの新たな門出となるこの建物は、ワダスポーツの30年の歴史のみならず、ラケットスポーツの文化を次代へと伝える現代のノアの方舟として出航した。

所在地 兵庫県姫路市網干区坂上102番地3
面積 412.42m2(125坪)
構造 鉄骨造
階層 地上2階
開業日 2017年9月13日
撮影 スターリンエルメンドルフ