都市の中の住宅

床を螺旋状に配置した、都市的なパブリックさと快適さを兼ね備えた空間

デザインコンセプト
担当:伊庭野大輔+藤井亮介+沼野井諭

都心の住宅地に建つ住宅の計画。敷地周辺の住宅地の環境を参照することで、都市住宅の新しいタイプを見出すことを目指した。

まず床面積を確保し、上下の移動をスムーズにするために床レベルを螺旋状にスキップさせ、場が連続したような空間構成とした。段差によって1つ1つの場所は小さくなるが、「階段幅を大きくする」「大きな窓を設ける」「家族で入れる大きな浴槽にする」など、通常の住宅よりも大きなスケールを同時に持つことで、住宅内外の出会いやコミュニケーションの可能性が広がることを意図した。

また、上に行くにつれてセットバックし、その隙間に天窓やジャロジー窓を設けて、どの空間にも空から光が差し込み、風が流れるように計画。それらの窓とダイニングテーブルやデイベッド、風呂、ベンチなどをセットにすることで、天気の良い日に外でくつろいでいるような心地良さが得られるように配慮した。このように、住宅がパブリックさと快適さを身にまとうことで、内部での様々な活動が自然と外部へと開放され、それにより個人と都市が互いに響きあう良好な関係を作り出すことを目指した。

設計 伊庭野大輔+藤井亮介+沼野井諭
所在地 東京都港区
主要用途 個人住宅(夫婦+子1人)
構造 小西泰孝、円酒昂/小西泰孝建築構造設計
左官 久住有生/左官株式会社
構造・構法 鉄骨構造(一部鉄筋コンクリート構造)
階数 地下1階、地上3階 
敷地面積 45.84m2
建築面積 27.20m2
延床面積 91.13m2
撮影 1・3~6・8枚目:Koichi TORIMURA、2枚目:GA photographers、7枚目:Daisuke Ibano