向洋の家

小さな並木道のある住宅

デザインコンセプト
担当:藤原・室 建築設計事務所

広島市郊外の住宅街に建つ平屋の住宅。施主は仕事の引退を機に、畑として利用していた土地を老後の住まいとして建てることにした。

施主の要望は、「夫婦2人が暮らせ、植栽を楽しめる家にしたい」「将来は雑貨屋やギャラリー、ワークショップができる大きな空間があり、大きなテーブルを家の真ん中に置きたい」ということだった。そのような希望から、住まいの外に並木道がある家を提案した。建物の外に家と繋がる幅広い土間をつくり、その土間の中や周囲に草花や木を植えることで、住まいと円形に繋がる小さな並木道をつくることにした。元々あったハナミズキの木に愛着があるとのことで、それも生かす計画とした。

また、敷地の道路側に広がる眺望や南面からの採光、隣地からのプライバシーのバランスを考え、建物配置を少し斜めに配置している。そして人が集まることを考え、キッチンはオープンにした。書斎も建具を開けるとリビングダイニングと一体になり、広く使えるようになっている。

竣工後、近くに住む施主の父や母、子どもなど皆が集う家となっているそうだ。これから植物の成長とともに、住まいの様子も変化することを楽しみにしている。

所在地 広島県広島市
設計 藤原・室 建築設計事務所
用途 専用住宅
構造 木造
敷地面積 329.14m2
建築面積 82.81m2
延床面積 76.04m2
竣工年 2015年
撮影 矢野紀行