- デザインコンセプト
- 担当:藤森雅彦建築設計事務所
敷地は仙台市の中心部に位置し、区画整備事業によって新たに形成された場所にある。今後も周囲の開発は進み、居住人口の増加が予想される。そのような背景の中、多くの児童を受け入れる効率性が求められる都市型保育園として、「子どもたちの好奇心や創造性を育む空間」、「地域との関り」をどのようにつくるかに主眼を置いて設計した。
限られた敷地を最大限に有効利用した保育園として成立させるため、必要な部屋や園庭を機能的に積層させる手法をとりつつ、道路側の壁面に子どもの頃に誰もが描いた“家”をそのままカタチとした出窓を配置した。通園する子どもたちの好奇心を視覚により刺激し、室内では出窓の付加空間が子どもたちの居場所となり、遊びの創造性を広げる計画とした。
壁式鉄筋コンクリートによる強固な構造形式を採用しながらも、室内は木の表情を多用し、温かみのある空間を目指した。また、通りから見る重層する“家”からは、中で過ごす子どもたちの遊びが垣間見え、まちのシンボルとして“地域”と“子どもたち”を繋ぐ媒体となると考えている。
整備されて間もない場所であるため、コミュニティーは未完成だが、この保育園に通う子どもたちの笑顔が周辺地域に拡がり、さらには新しいまち全体の活気に結びついていくことを期待している。
所在地 | 宮城県仙台市宮城野区 |
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用途 | 保育所 |
竣工 | 2017年3月 |
建築面積 | 211.31m2 |
延床面積 | 662.83m2 |
構造 | 鉄筋コンクリート構造 |
階数 | 地上4階 |
設計監理 | 藤森雅彦建築設計事務所 |
撮影 | 外観写真:小川重雄、内観写真:藤森雅彦建築設計事務所 |