HINO2-日野の大屋根-

切妻屋根によって展開された内部と外部の等価

デザインコンセプト
担当:武藤圭太郎建築設計事務所

岐阜市に建つ、夫婦2人と母親のための住宅。築100年を超える民家の立て替えとして計画された。元々建っていた民家への敬意や近隣の古い町並みを考慮して、和風の建物とすること、法事用の8帖二間の和室などが要望として求められた。

北と南に大きく開けた山の風景を生かすために、敷地全体におおらかな切妻の屋根を架け、大きな穴を開けた。大きな穴からは鮮やかな緑が屋根を突き出し、穴の向こう側の山の風景が借景になっている。おおらかな屋根が敷地外と敷地内のプライバシーを緩やかに包み込み、屋根の下に内部と外部が等価に展開される住宅を目指した。

切妻の屋根は内部にもそのまま勾配天井として現れ、天井の高い部分は吹き抜けとなったり、ダイナミックな体験を住宅の中にもたらしている。左官業を営むクライアント自ら漆喰に仕上げた壁は、光の陰影や庭の緑の風景を映し込んでいる。

所在地 岐阜県岐阜市日野北
延床面積 184m2
構造 木造2階建て
設計 武藤圭太郎建築設計事務所
竣工 2017年6月
写真 谷川寛