クリムト展
いまなお圧倒的な人気を誇る、19世紀末のウィーンを代表する画家グスタフ・クリムト。2018年の没後100年を記念して開催される本展は、初期の自然主義的な作品から、分離派結成後の「黄金様式」の時代の代表作、甘美な女性像や数多く手がけた風景画まで、日本では過去最多となるクリムトの油彩画25点以上が展示されています。
ウィーンの分離派会館を飾る壁画の精巧な複製による再現展示のほか、同時代のウィーンで活動した画家たちの作品や、クリムトが影響を受けた日本の美術品などもあわせ、ウィーン世紀末美術の精華を感じとれるはず。
なんと、6月14日までは「大学生・専門学校生・高校生無料」だという本展。そういえば実物見たことないな~という学生さんは、この機会に行くのをおすすめします…!(うらやましい限り!)
黒田潔 個展「Mirror」
イラストレーター、アートディレクターとして広告や雑誌のアートワークを多く手がける黒田潔。アーティストとしても、植物や昆虫、動物をモチーフに、モノクロの繊細な線を表現したドローイング作品を発表しています。
本展では、光るもの、映り込むもの、角度を変えると形が変化するものなど、形が捉えづらく曖昧なものをテーマに、モノクロのドローイングで描かれた作品を展示・販売。割れた鏡に映り込む風景や、アルミの風船に反射する光など、黒田潔が今までに描いてきたモチーフよりも抽象的な要素が含まれた、新しいものの見え方と変化が表現された作品が並びます。
場所:(PLACE)by method
https://www.japandesign.ne.jp/event/kurodakiyoshi-method/
LOGOロゴ展
「LOGOロゴ展」は、ロゴをデザインすることが大好きな2人のデザイナー、武井衛(MARKLE DESIGN)と遠島啓介(DONUT DESIGN)による作品展。
6月5日(ロゴの日!)からスタートした本展は、2人のこれまでのロゴやCI/VIに関するデザインワークを展示。会場ではロゴデザインだけでなく、コンセプトや制作の背景などもあわせて紹介されるので、デザインを学ぶ方や、ロゴはどのようにつくられているのか興味がある方におすすめです。
JAGDA新人賞展2019 赤沼夏希・岡崎智弘・小林一毅
毎年、公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)が発行する年鑑『Graphic Design in Japan』出品者の中から、今後の活躍が期待される有望なグラフィックデザイナー(39歳以下)に贈られる「JAGDA新人賞」。37回目となる今回は、新人賞対象者152名の中から厳正な選考の結果、赤沼夏希・岡崎智弘・小林一毅の3名が選ばれました。
博報堂に所属し、さまざまなジャンルの企業ロゴ、ポスター、イラストレーターの個展グッズなどを手がける赤沼夏希。グラフィックデザインを起点に、印刷物に留まらず映像制作や展覧会の空間構成も行う岡崎智弘。資生堂で商品広告やパッケージデザインを手がけながら、個人でも活動を行い2019年5月に独立した小林一毅。本展では、3名の受賞作品および近作のポスターやプロダクト、映像などを中心に展示されます。
場所:クリエイションギャラリーG8
http://rcc.recruit.co.jp/g8/exhibition/201905/201905.html
萬画家・石ノ森章太郎展 ボクは、ダ・ビンチになりたかった
マンガ家として『サイボーグ009』『仮面ライダー』『佐武と市捕物控』など数々のヒット作で知られる石ノ森章太郎(1938-1998)。エンターテインメント作品を量産する一方で、実験的作品『章太郎のファンタジーワールド ジュン』や『マンガ日本経済入門』など画期的なテーマにもチャレンジし続け、万物を表現できるメディアとしての<萬画>を提唱しました。
また、後進育成のためのマンガ入門書やエッセイ刊行のほか、晩年は郷里貢献活動として、「マンガを活かした街づくり」に尽力するなど、教育者や作家、社会企業家としての側面も併せ持ちます。本展では原画約200点が紹介され、「世界一多作なマンガ家」の多様性、先見性が紹介されます。
本邦初出品の原画などファン必見の展示のほか、会場には仕事場を再現したセットや、石ノ森章太郎なりきりセットも設置。ここでしか押せない記念スタンプなど、楽しませる要素がもりだくさんです!
上半期も残りわずか。会期が長いから大丈夫!と思っていた展覧会も気づけば終了間際…なんてことも少なくありません。行きたい展覧会には早めに行って、その世界観や空気感にゆっくり浸ってください。
構成:石田織座(JDN) タイトルデザイン:佐伯ゆう子