柔らかな味わいを感じる展示「Asako Yagi Exhibition 2015 色合わせを楽しむためのガラス」

柔らかな味わいを感じる展示「Asako Yagi Exhibition 2015 色合わせを楽しむためのガラス」

7月25日(土)から8月11日(火)まで、青山のショップ「doinel」にてガラス作家・八木麻子さんの展示「Asako Yagi Exhibition 2015 色合わせを楽しむためのガラス」が開催されている。「色合せを楽しむためのガラス」をテーマに、八木さんのガラス作品の特徴である、やわらかで微妙な色と氷砂糖のような質感の器やブローチ、髪飾りなどが並んでいる。

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今回メインの作品は「器」。水色や黄色など爽やかな色で構成されたチェックや、白だけで構成された縞模様の器、鮮やかな花が浮かぶ器など、それぞれに優しい味わいがある。器でありながら、思わず壁に掛けたくなるようなグラフィック性が高いことも特徴だ。

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「doinel」では3回目の展示だという八木さん。作品で特に魅力的なポイントである色について伺うと、「季節によって出す色を考えています。たとえば、梅雨の時期はあじさい色の紫や青を多く出したり、今の季節で言えばさわやかで元気なイメージの黄色や青が多いです。また、器はやはり食材を乗せるものなので、食材の邪魔にならないような色使いにしています」と、話した。

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ガラスというと「吹きガラス」を想像することが多いが、八木さんが使っているのは「キルンワーク」という技法だ。キルン(窯)+ワーク(制作)という名の通り、窯でガラスを焼成して作る方法のこと。透明な板ガラスに粉ガラスをふりかけて焼成すると、色とりどりの板ガラスができる。その板ガラスから、花や丸形のパーツを切り出したり、細かく切って他の色と組み合わせれば、縞やチェック模様ができ上がるという。

チェックの器を作る際の工程写真。写真右手にある道具はガラスカッター(写真提供:八木麻子さん)

チェックの器を作る際の工程写真。写真右手にある道具はガラスカッター(写真提供:八木麻子さん)

もっとガラスにも様々な技法や色、表情があることを知ってもらいたいと話す八木さん。彼女の作品を見ると、今まで自分が持っていたガラスの色や質感の印象が更新される。微妙で味わい深く優しいガラス、四季のように移り変わっていく作品が楽しみだ。

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「Asako Yagi Exhibition 2015 色合わせを楽しむためのガラス」
会場:doinel(東京都港区北青山3-2-9)
会期:2015年7月25日(金)~8月11日(火)※水曜定休
http://doinel.net/