2020年度グッドデザイン賞の受賞結果が発表。「交感」テーマに1,395件が選出

2020年度グッドデザイン賞の受賞結果が発表。「交感」テーマに1,395件が選出

公益財団法人日本デザイン振興会が主催する、グッドデザイン賞の2020年度受賞結果が発表された。

本年度は、デザインにおいて他者や社会、環境などについて考え、それに応えることを示す「交感」をテーマに、4月2日〜6月2日の期間で応募受付が実施された同賞。新型コロナウィルス感染症の拡大という状況の中、4,769件の応募が集まり、感染症対策を行なった上で、国内外のデザイナーや建築家、専門家など、各分野で活躍する94名の審査委員による審査が行われ、1,395件の「グッドデザイン賞」受賞が決定した。

本日発表された受賞対象には、独自性、提案性、審美性、完成度などの面において特に優れており、これからのモデルとなるデザインとして位置づけられる「グッドデザイン・ベスト100」の100件が含まれている。また、長年にわたって人々から支持され続けてきた商品などのデザインに贈られる「グッドデザイン・ロングライフデザイン賞」には、19件の受賞が決定した。

今年度のベスト100には、オンライン会議ツール「Zoom」や、「働く」と「暮らす」を越境するワークチェアとしてイトーキが販売している「vertebra03」など、新型コロナウイルスの影響によるリモートワークの普及といった社会の変化に適応するデザインや、「い・ろ・は・す 天然水」のラベルレスパッケージや、ポリエステルのアパレル製品のリサイクル100%を目指す「BRING」といった循環型社会の形成を模索するデザインなど、昨今の社会環境の変化によって生じた課題の解決を目指すデザインが多数選出されている。

また、ロングライフデザイン賞には、ヤマト株式会社の「でんぷん糊」や、深澤直人のデザインによる株式会社マルニ木工の「HIROSHIMA」、槇文彦の設計による代官山の「ヒルサイドテラス」、都電荒川線など、多様な分野から選出されている。

なお、「グッドデザイン大賞」などの特別賞は、今後さらなる審査を経て10月30日に決定される。

以下、審査委員長の安次富隆氏と齋藤精一氏の発表コメント。

■安次富隆 審査委員長

今年度のグッドデザイン賞のテーマは「交感」です。 デザインにおいて他者や社会、環境などについて考え、想いを至らせるのはとても重要なことです。さらに、一方的に想うだけでなく、 互いの感覚や感性、感思や感得を交えることが求められているように思います。審査においてもそのことを意識しながら、情報を読み解き想像することを心掛けました。優れたデザインは、私たちを惹きつけるメッセージを充分に発信していたと思います。

■齋藤精一 審査副委員長

近年の傾向として、環境に関わる製品やサービスといった領域に多くの提案が見られましたが、今年は取り組みや開発の背景、素材、 プロセス、ビジネスモデルなど、複眼的な観点から今まで以上に深い読み込みと議論を行うことで、グッドデザイン賞としてこれから世の中に波及を促すべきなのか?そこに企業や団体、業界の枠を超えた「交感」はしっかりと起きているのか?といった判断が成されました。結果として、我々が胸を張って世の中に送り出せるデザインを見つけられたと思います。

https://www.g-mark.org/