真鍋大度と清水憲⼀郎によるMVが、「アルス・エレクトロニカ賞2020」で栄誉賞を受賞

MV「Terminal Slam」より MV「Terminal Slam」より

オーストリアのリンツで毎年9月に開催される世界最大規模のメディアアートの祭典「アルス・エレクトロニカ」が、「アルス・エレクトロニカ賞2020」を発表。アーティストの真鍋大度(Rhizomatiks)と映像ディレクターの清水憲⼀郎(Pele)がディレクションを手がけたミュージックビデオ(以下、MV)が、コンピューターアニメーション部門の「栄誉賞」を受賞した。

受賞したのは、イギリスのアーティスト「スクエアプッシャー(Squarepusher)」のミュージックビデオ「Terminal Slam」。同MVでは、MR(複合現実)グラスをかけて街中を歩くと、広告や人物がAIによって削除され、風景が音に合わせて変化していく様子が描かれている。真鍋氏は、「スクエアプッシャーとの対話の中で広告のあり⽅や未来の広告について考える機会があったのだが、Diminished Reality(減損現実)技術を⽤いて街中の広告を削除できたらおもしろいのではというアイデアを思いついて、それを今回のMVの発想の原点とした」と話す。

このアイデアをもとに真鍋氏がコンセプトや機械学習技術・CGを設計、その後、清水氏が撮影・編集などのディレクションを担当し、Rhizomatiksエンジニアの浅井裕太が街中のオブジェクトを機械学習技術によって認識する実装を行ったという。

受賞作品は毎年アルス・エレクトロニカで展示されるが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、今年の開催についての詳細は未発表。

●受賞作品 スクエアプッシャーMV「Terminal Slam」