2019年度グッドデザイン賞の大賞が決定。受賞は富士フイルム「結核迅速診断キット」

富士フィルム「結核迅速診断キット」製品画像(2019年度グッドデザイン大賞)富士フィルム「結核迅速診断キット」製品画像(2019年度グッドデザイン大賞)

公益財団法人日本デザイン振興会が主催する2019年度グッドデザイン賞の大賞が発表された。受賞したのは、富士フイルム株式会社の「結核迅速診断キット」。

4月3日に応募受付を開始し、4,772件の応募を対象に審査を実施した同賞は、過去最多の1,420の受賞が決定。その中から、社会性、時代性、提案性などの面でもっとも優れているとされるデザインに対して、グッドデザイン大賞が贈られる。今年の審査キーワードは「美しさ」と「共振する力」。

大賞を受賞した富士フイルム株式会社の「結核迅速診断キット」は、HIV感染者など結核罹患の可能性が高い人々の診断を可能にする結核診断用検査キット。写真現像の「銀増幅技術」を応用し、尿中のわずかな成分から結核菌の存在を判定することで、早期治療に繋げることが可能。電源や装置を用いない簡単確実な検査を実現した。なお、現在は発展途上国にて使用されており、日本では販売されていない。

受賞に際して富士フイルム株式会社デザインセンターの大野博利さんは、「このプロジェクトは開発途上国の結核診断ツールであるため、これまで日本のみなさまに紹介する機会がありませんでした。この診断キットは、当社が写真フィルムや『写ルンです』といった、カメラなどで培ってきた技術を生かしてつくりました。思い出を残す技術というものが、誰かの命を守る技術に姿を変えて、こうして世の中の役に立っているというストーリーがみなさまに共感していただけたことを、うれしく思います」とコメントした。

柴田文江審査員長は、今回の受賞に対して「大賞のほかに、今年いくつも入賞している富士フイルムさんから、デザインという力を介在した大きなうねりが生まれていることを感じました」と話した。

続いて齋藤精一副審査員長は、「若手から重鎮までがチームになって、自社の持つ既存の知的財産を応用し、社会の問題解決につながる新しい商品をつくっていることが、いま世の中のみなさんに求められているからこそ、大賞に選ばれたのだと思います」とコメントした。

また、大賞のほかにもグッドデザイン金賞として19件、グッドフォーカス賞として12件が選ばれた。すべての受賞デザインは、10月31日から11月4日まで東京ミッドタウンにて開催中の「GOOD DESIGN EXHIBITION 2019」にて展示される。

https://www.g-mark.org/activity/2019/results.html