空間の新たな可能性を体験する「超文化祭 2025」―丹青社CMIセンターが取り組む若手育成プロジェクト(2)

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空間の新たな可能性を体験する「超文化祭 2025」―丹青社CMIセンターが取り組む若手育成プロジェクト(2)

『不思議の国のアリス』の世界に没入!XRコンテンツを体験

石田:続いては、『Dive into the tales 〜不思議の国のアリス編〜』。ヘッドマウントディスプレイを装着し、不朽の名作『不思議の国のアリス』の世界を全身で楽しむXRコンテンツです。VR・MR系の体験コンテンツは3Dで制作することが多いのですが、本作は絵本の世界を再現するために、あえて2Dのイラストを動かしている点で新しい試みになっています。

シルクハットを被った丹青社社員がゲームの解説を行う様子

『Dive into the tales 〜不思議の国のアリス編〜』ブース

石田:イラストを担当した木下くんは、本当に膨大な量のイラストをよく描ききったと思いますね。今回の「超文化祭 2025」では最も試行錯誤を重ねたチームだったのではないでしょうか。

XRゴーグルを装着するプレーヤーたち

ゴーグルを装着し、XRの世界を体験。映像やイラスト、登場するキャラクターの音声までも社員が制作を担当している

内田:そして最後が高精度位置測位システムを使った音声ガイド『ネコカイギ』です。「ネコを飼っている時、人はネコに飼われている」をコンセプトに、体験者がネコになりネコ社会に参加することで、人とネコの奇妙な関係を体験できる音声ARコンテンツです。

Bluetooth通信を使用した高精度屋内測位システムを活用し、端末を持って展示に近づくだけで音声ARガイドを聴くことができます。企画・構成、展示制作に加え、アプリ開発も当社で担当しています。

スマホのアプリ画面にマップが表示されている

スマホの画面上に表示されたマップを頼りに展示をまわり、各スポットで音声ガイドを聴くことができる

各々がブースをまわり解説に聞き入る

会場ではネコにまつわるインフォグラフィックス、グッズ紹介、社員によるネコ談義、ネコのための建築などが展示され、音声を聴きながら巡る

プロジェクトを通し、ものづくりにおけるチーム内連携が強固に

――今年の「超文化祭 2025」を振り返り、実感している変化や成果はありますか?

内田:人材育成や営業支援などいろいろな側面がありますが、最も大きいのは「CMIセンターのメンバーそれぞれのスキルや得意分野を見える化できたこと」です。イラストならあの人に頼もうとか、Unityのことならあの人に相談しようといったように、チームを横断した連携が取りやすくなったことで、より良いものづくりができる環境になったことに大きな成果を感じています。

石田:そうですね。それによって、より「自分たちでやりたいことを考えてつくろう」という意識も強くなったと思います。デザイナーやプランナーと一口に言っても、それぞれ違った個性や強みがある。それを互いが知ることで、スキルを伸ばしたり新しいものを生み出せる環境になってきていると思います。

個人的に、若手メンバーが自由にものづくりに打ち込める環境・文化をCMIセンターの中につくっていきたいという思いがあって。それを次の世代に引き継いでいくことが、私たちが自主実践プロジェクトに取り組む上での使命かなと思っています。

内田:CMIセンターという組織としても、発足から10年を迎えようというタイミングで大きく変わってきています。R&Dの専門チームをつくったことで、より専門性を高めてものをつくり、社会実装していく環境も整ってきました。「自主実践プロジェクト」でも、世の中への実装をよりイメージした研究開発を意識することで、自主実践と本業の連携を加速させていきたいと考えています。今後の方針についてまだ具体的なことはお話できませんが、ぜひご期待いただければと思います。

「超文化祭 2025」に参加し、得られた学びとは

『Dive into the tales 〜不思議の国のアリス編〜』の開発に携わったお二人に、「超文化祭 2025」を終えての感想をうかがいました。

ポートレート

坂尾南帆 株式会社丹青社 CMIセンター R&D部 空間DX課空間DXエバンジェリスト。2021年に入社し、プランナーとして体験施設や商業施設のデジタルコンテンツ制作を担当。現在はR&D部に異動し、新規サービスの開発に向けて活動中

坂尾南帆さん:普段の仕事ではお客さまからの要望を最大限叶えることが求められますが、「自主実践プロジェクト」では何をどこまでつくるかをゼロから自分たちで決める必要があります。何をもって完成とするのかも、自分たち次第。ある意味、ゴールのないものづくりともいえるところが難しくもあり、最もやりがいを感じるところだと思います。

3年連続で「自主実践プロジェクト」に参加していますが、今回携わった『Dive into the tales 〜不思議の国のアリス編〜』では、はじめてUnityを使った演出に挑戦。最初は困惑もありましたが、周囲のサポートもありつくりきることができました。自分が経験してこなかった領域にもトライすることで、以前に比べて演出全体を俯瞰で見る力が身についたと感じています。

また、チームのメンバーもはじめて協業する方ばかりで、互いの得意分野を知るいい機会になりましたね。「超文化祭 2025」では来場者の方の反応を直接見ることができ、今回取り組んだリアル空間とバーチャル空間が融合するような表現の可能性を強く感じました。

ポートレート

木下裕司 株式会社丹青社 CMIセンター 空間メディアプロデュース統括部 演出デザイン部デザイナー。2021年に入社し、IP関連の施設・イベントをはじめ、企業・博物館などの空間デザインやコンテンツ制作を担当。イラスト力を活かしたデザイン提案で、わくわくするような空間を探求中

木下裕司さん:「自主実践プロジェクト」には2022年から参加していて、イラストやキャラクター制作に毎年携わっています。普段の業務でもイラストを描くことはあるのですが、企画書用の説明イラストなど資料的なものがほとんど。

しかし今回は、イラストの世界観から描くものまでチームで話し合って決められたのが新鮮で、とてもいい経験になりました。『Dive into the tales 〜不思議の国のアリス編〜』に登場するキャラクター、背景、オブジェクトなどすべてのイラストを担当し、「超文化祭 2025」では来場者の反応もよかったので自信につながりました。

「不思議の国のアリス」に登場する女王の城と庭、女王とトランプ兵のイラスト

木下さんが描いた女王の庭の場面イラスト

特にこだわったのは、体験する方がアリスの世界に入り込む際に体が小さくなる演出です。実際に体を縮めることはできないので、そのシーンのみリアルな世界が見えない状態で周囲のイラストを巨大化させることで、体が小さくなる疑似体験ができるようになっています。大きくなっても違和感がないよう、坂尾さんと検証しながらイラストの細部まで気を遣って描きました。

今後もこういった取り組みを加速させ、CMIセンター内だけでなく外部の方もどんどん巻き込みながら新しいアイデアをカタチにしていきたいと思います。

取材・文:岡嶋航希(ランニングホームラン) 撮影:加藤麻希 編集:萩原あとり(JDN)