「躍動するブラジルのリズムを感じてほしい」エドゥアルド・コブラ インタビュー(2)

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「躍動するブラジルのリズムを感じてほしい」エドゥアルド・コブラ インタビュー(2)

サンパウロの中心部の高さ56mのビルの壁に、ブラジル建築界の巨人オスカー・ニーマイヤーの肖像を描いたことで世界中にその名を轟かせた、サンパウロ出身のウォールアーティストのエドゥアルド・コブラ(Eduardo Kobra)。

NYに描かれた、アンディ・ウォーホルとバスキア Sean Pavone / Shutterstock.com

NYに描かれた、アンディ・ウォーホルとバスキア Sean Pavone / Shutterstock.com

サンパウロ最新ムーブメントを紹介する「Oi! Brasil」で、西武渋谷店の店内の装飾を担当。その一環として西武渋谷店の壁面に2週間かけて新作を描いた。今回、初来日となるエドゥアルド・コブラ、温かみを感じさせる作風そのままの気さくな人柄と笑顔が印象的だ。

― 作品の制作プロセスについて教えてください

長年、私は3人の仲間とチームを組んで活動しています。つい最近も高さ80mにもおよぶビルの側面に巨大な作品を制作しました。これを可能しているのは、システムに乗っ取って制作しているから。まずは紙ベースでどのような絵を描くかを決める、その後の正方形に分割してナンバリング、そしてそれぞれをペインティングしていく、計算してつくられているからどのような大きさにも展開することができるんだ。特に光と影とコントラストや立体感をリアルに表現することにこだわっている。

エドゥアルド・コブラ

エドゥアルド・コブラ

― 今回、壁面に描いたウォールアートのコンセプトは?

はじめはブラジルのレジェンド、アイルトン・セナなどを描くというアイデアもありました。でも、今回は躍動するようなブラジルのリズムを感じてほしい。ブラジルのトラディショナルな音楽で、かつ世界的にはあまり知られていないものをあえて描いて、ブラジルの文化をもっと広めたいと思ったんだ。ストリートのアートを快く思わない人もいるとけれど、こうして西武渋谷店から招待されてとてもうれしいし、多くの人に作品を見てもらえるチャンスだよ。

― これまでにつくった作品で印象深い作品は何ですか?

うーん、難しい質問だな(笑)。最新作が自分の成長が凝縮されていると考えているから、今回の西武渋谷店に描いたものが印象深いといえるね。これまで百貨店のアートディレクションで関わったことはなかったし、海外で真夜中に制作したのもはじめての経験だ。渋谷や昼間の人通りが多いから仕方のないことだけど。その分、日本では貴重な経験が得られたと思っているし、私の作品を気に入ってもらえるとうれしいな。このような機会を与えてくれた西武渋谷店には感謝したい。

― 今後、行ってみたい場所や描いてみたいものはありますか?

この後、ドバイへ行く予定。そこでは、「チョークフェスティバル」というイベントでチョークを使って描くことにも試みるし、もちろんビルにも描く予定だよ。ロンドン、モスクワ、パリ、ニューヨーク、サンパウロ、東京、これまで色々な都市を訪れてきました。私の目的は街で暮らす人々に見てもらうこと、それを目指していつも描いている。こうして、初めて東京へ来たことが良いきっかけとなり、また日本に来て描くことができたら最高だね。

制作3日目

制作3日目

制作6日目

制作6日目

制作11日目

制作11日目

「“コブラ”はブラジルではエキスパートを表現する言葉なんだ」エドゥアルド・コブラ インタビュー(1)