
90年代後半から都市活用の一環としてアートと地域の連携プログラムが盛んに開催され、アートツーリズムなどの観光活動により、産業や経済に結びつく新しい芸術との関わり方が絶えず探り続けられている。しかし、数十年続くようなアートプロジェクトは稀であり、地域との関わりで必ずしも良い結果が生まれるとも限らない。また、長期的な企画が立てにくい中で、アートセンターがどのようにして「まち」と関わっていくことができるだろうか。
この思いを起点として、神戸アートビレッジセンター(KAVC)では、「新開地」をテーマにしながら「土地が新しく開く」とはどういうことか?という根本的な疑問に立ち返り、海洋研究開発機構(JAMSTEC)の協力を経てアートとサイエンス両方の視点から、「土地」そのものを考える展覧会を開催した。そして、今年は、美術家の伊達伸明と、建築・空間・まちに関する調査と提案を行っているRADのメンバー榊原充大と木村慎弥を迎え展覧会を開催する。
本展では「新開地」のテーマは継続しながらも、まちを楽しむ手法として編み出された「しらんけど考古術」という新しい切り口を提示する。時として荒唐無稽な民話や昔話の方が史実よりも土地への親近感を喚起することがあるが、この手法は、現代の事象からさかのぼって創作した「地域の誕生秘話」をもとに、空想の翼を持って今の風景情報の見方を探るという試みである。「過去/現在」「事実/空想」を軽やかに行き来しながら、多角的に土地を愛でることを目的とした展覧会である。
また、「とりのゆめ」と題された本展では会場の入り口を2つ用意している。同じストーリを元に両者で読み解き方が変わり、リテラシーや善悪の問いなど、最後に展示される壮大なオチと共に、楽しんで頂けると幸いである。
※関連イベントは公式ホームページをご覧ください
開催期間 |
2017/02/18(土)~2017/03/05(日) ※イベント会期は終了しました
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時間 | 12:00~19:00 |
休館日 | 火曜日 |
入場料 | 無料 |
参加アーティスト | 伊達伸明、木村慎弥、榊原充大 |
会場 |
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会場電話番号 | 078-512-5500 |
会場URL | http://kavc.or.jp/ |
詳細URL | http://www.kavc.or.jp/art/eam/2016/ |