鈴木親は、「Purple」「i-D」「DAZED & CONFUSED」など国内外の雑誌をはじめ、イッセイミヤケ、United Bamboo、TOGAなどのワールドキャンペーンビジュアルなどを手がけ、日本を代表するフォトグラファーの1人として、90年代より常にエディトリアルやファッションフォトの最前線で活躍してきた。

デジタルが普及し、技術的な方法論は飽和状態にあると言える写真というメディウムにおいて、オリジナリティを保ち続けるのは容易ではない。そのなかで独自の作風で作家としての評価を確立してきたのは、鈴木が国内外での豊富な経験から、世界で活躍するトップフォトグラファーたちがどのように作品を「オリジナル」として成立させているかや、写真を取り巻くさまざまな構造について意識的に観察する視点、また撮影現場全体をマネージし、つくり上げる技量を獲得しながら、自身の制作や好奇心、時代や文化と真摯に向き合ってきたからだと言えるだろう。

世界中のクリエイターを魅了する東京という街、著名人、有名メゾンから若手のモデルまで、鈴木が撮る対象はその有名なパブリックなイメージとは別の、新鮮であり、その対象が一瞬だけみせる奥の部分を直感的に引き出しているように思える。それは鈴木が、対象だけに焦点をあわせるのではなく、対象とカメラの間にある空間自体をとらえているからかもしれない。対象はその空間のなかで、常に変化するものの一部として自然に存在している。本展では、約30点の作品が展示される。

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●オープニングレセプション
日時：4月21日（土）　18:00～20:00