リュイユ―フィンランドのテキスタイル:トゥオマス・ソパネン・コレクション

京都国立近代美術館にて、「リュイユ―フィンランドのテキスタイル:トゥオマス・ソパネン・コレクション」を2023年1月28日から4月16日まで開催します。
「やわらかな色面」を感じさせるリュイユの一番の魅力は、複雑に構成された色彩の表現にあります。ウフラ=ベアタ・シンベリ=アールストロム(1914–1979)は、水彩によるデザイン画をもとに、幾何学的な模様を無数の階調で表現した、リュイユの代表的なデザイナーの一人です。こうした色彩構成は、レーナ=カイサ・ハルメ(b. 1940)の近年の作品のように、ウールのみならず、リネンやヴィスコースなどの異なる質感の素材を用いることで、より複雑な表現へと展開しています。
リュイユは、フィンランドのアイデンティティが表れた織物だと言われます。16世紀にはすでに寝具として用いられていたリュイユの大きな転換点は、1900年パリ万博。画家アクセリ・ガッレン=カッレラ(1865–1931)によってデザインされた《炎》は、フィンランド館を彩り、ロシアからの独立を視野にナショナル・ロマンティシズムの一端を担います。一方、画家のデザインをもとに制作を担ったのは、伝統的な手工芸を保存し活かすことを掲げて1879年に設立されたフィンランド手工芸友の会でした。同会は、デザイナーと優秀な織り手との豊かな関係を築いたほか、家庭用の制作キットをつくることで、趣味のよい生活と、自らつくる喜びを広めていきます。
新たなデザインのリュイユは、時代の変化とともに生み出され、1950年代にはガラスや陶芸と同様に、ミラノ・トリエンナーレで受賞を重ねるなど「フィンランド・デザイン」として国際的な評価を高めました。現在では、作家が自ら手がける作品も多く、造形や素材は多様化して表現の幅はより広がりを見せています。リュイユの歴史は、いわば近代以降のテキスタイル・アートの変遷を凝縮した物語なのです。
本展では、フィンランド国立博物館と並び称されるリュイユのコレクションとして著名なトゥオマス・ソパネン・コレクションを日本で初めて紹介します。リュイユの歴史を概観できる重要な作品を厳選し、主に1950年代以降に制作された作品約40点を展観します。
《本文は公式サイト紹介文より抜粋/一部編集》
開催期間 |
2023/01/28(土)~2023/04/16(日) ※イベント会期は終了しました
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時間 | 10:00~18:00(2/3、2/10、4/14を除く金曜日は20:00まで/いずれも入館は閉館30分前まで) |
休館日 | 月曜日 |
入場料 | 一般430円/大学生130円/高校生以下、18歳未満および65歳以上の方は無料 |
会場 |
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会場電話番号 | 075-761-4111 |
会場URL | https://www.momak.go.jp/ |
詳細URL | https://www.momak.go.jp/Japanese/exhibitionarchive/2022/451.html |