インターメディアテクの館内では、かつて東京大学で使用された戦前の什器をリデザインし活用している。多様な什器の中でも、1916年に建設された赤門倉庫（書庫）内から移設した鉄製のキャビネットは、最も古い什器の1つと言える。

本展は、これらの什器を使用し、前衛芸術から影響を受けた現代美術作家の作品が、歴史性をもつ什器に格納されつつ、等間隔に展開されることで、作品の輪郭を一層引き立たせ、現代美術における共時性を提示する試みになる。現代美術における共時的な地形を提示することにより、今後の美術に対する展望（パースペクティヴ）へと繋がる可能性も検証していく。

展示期間中には、出品作家と東京大学総合研究博物館に関係する研究者によるディスカッション・イベントも予定。作品制作と学術研究のアプローチについて、着想から考察までを比較検証し、新たな関係性と可能性を模索していく。

【関連イベント】
●ディスカッション・イベント
会場：インターメディアテク2階「レクチャーシアター（ACADEMIA）」
時間：18:00～（17:45開場、19:30終了予定）

「学術研究と芸術表現の比較1（立体作品）」
日程：3月3日（金）
出演：松原始（東京大学総合研究博物館インターメディアテク研究部門特任准教授／動物行動学）、今井紫緒、冨井大裕、藤原彩人、菊池敏正

「学術研究と芸術表現の比較2（絵画作品）」
日程：3月10日（金）
出演：黒木真理（東京大学大学院農学生命科学研究科助教／水圏生態学）、今井俊介、今津 景、髙木大地、菊池敏正