「The Second Stage at GG」シリーズの46回目として「松本美枝子写真展」が、ガーディアン・ガーデンで開催される。本シリーズは、ガーディアン・ガーデンの公募展入賞者の中から、各界で活躍する作家のその後の活動を伝えるための展覧会だ。

松本美枝子は、自宅そばで起きた茨城県東海村の臨界事故と生活をテーマにした「美しき町」で、第15回「ひとつぼ展」に入選した。続く第16回同展では、水戸にある祖父宅の取り壊しの様子を追った「みんなの家」で連続入選を果たす。その後、水戸芸術館やいちはら×アートミックス、鳥取藝住祭、茨城県北芸術祭などで作品を発表し、活躍の場を広げている。

茨城県水戸市を拠点に活動する松本は、個人的に関係がある人々や馴染みのある場所、日々暮らす中で作家に密接に関わりのある対象を撮影してきた。2014年以降は、地域の歴史や産業などについて現地でリサーチをおこない、社会的な事象も捉えた作品を発表している。写真のプロジェクションだけではなく、テキスト、音などを用いた空間をつくり上げ、表現の拡張を試みている。

自然がもたらす変化や、人の力ではどうにもならないことが起きた時、場面が変わるように状況が一変する。東日本大震災は、作家が拠点とする茨城県周辺も含めて、さまざまな影響をもたらした。同展では、それを経て、変わったこと、変わらなかったこと、そしてわかってきたこと、まだわからないことを写真とテキストなどを通して表現する。撮影した場所でしか感じられない時間と空気を内包した散文的な写真をプロジェクションし、静かに展示空間に立ちあげる。

【関連イベント】
●オープニングパーティー
日時：9月5日（火）　19:00～20:30