単色のリズム 韓国の抽象
韓国の抽象絵画は、欧米の同時代美術を受容する過程で東洋的な精神性をたたえた韓国固有の表現として確立し、ことに1970年代に生まれた「単色画(ダンセッファ)」は、極限までそぎ落とされたミニマルな美しさと繊細な息づかいを特徴として豊かな発展をみせた。この動向を担った作家たちは、本国の韓国と並んで日本でも盛んに紹介され、70年代から90年代にかけて両国アートシーンの活発な交流をもたらした。その後、2015年にヴェネチアで単色画の大規模な展覧会が開催されたことなどがきっかけとなり、急速に再評価が進んでいる。
本展は、韓国の抽象絵画の流れを19人の作家の作品を通じて見ようとするものだ。20世紀の前半には日本の影響を受け、大戦後はイデオロギーの対立による混乱を経験した韓国において、作家が作品の制作、発表を行うこと自体にも困難があった。また、日本をはじめとする他国の影響下にあった韓国の美術が、自国のアイデンティティを希求する衝動は強固なものであったと想像できる。
韓国の抽象絵画の軌跡は、こうした状況のなかでそれぞれの作家が独自に切りひらいてきたもので、ひとつの流れに規定することはできない。大戦前の日本の制度で教育を受け、日本や欧米に渡って同時代の抽象芸術のさなかに身を置いた金煥基、郭仁植、李世得、大戦後の新しい制度のもとで美術教育を受け、アンフォルメルなど欧米の同時代美術の影響を受けながら、のちに「単色画」とよばれる韓国独自の抽象を生んだ権寧禹、丁昌燮、尹亨根、こうした先人の精神を受け継ぎ、現在の韓国美術を牽引する世代、とゆるやかに3つの世代にわけることができるだろう。本展では、さまざまな困難と闘いながら獲得された、静謐さと洗練をあわせ持つ韓国独自の抽象絵画の一端を観ることができる。
開催期間 |
2017/10/14(土)~2017/12/24(日) ※イベント会期は終了しました
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時間 | 11:00~19:00(金・土は20:00まで/いずれも入場は閉館30分前まで) |
休館日 | 月曜日 |
入場料 | 一般1,200円/大学・高校生800円/中学生以下無料 |
参加アーティスト | 金煥基、郭仁植、李世得、権寧禹、丁昌燮、尹亨根、朴栖甫 他 |
会場 |
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お問い合わせ | 03-5777-8600(ハローダイヤル) |
会場URL | https://www.operacity.jp/ag/ |
詳細URL | http://www.operacity.jp/ag/exh202/ |