建築家・堀部安嗣の個展「建築の居場所」が、TOTOギャラリー･間で開催される。

建築家として26歳で独立した堀部は、これまで20年あまりにわたり、住宅をメインにゲストハウスなど、80を越える作品を手掛けてきた。そんな堀部のつくり出す空間は、多角形などの幾何学をベースとしたフォルムと端正な外観、そしてそれらを構成する木や石、コンクリートなど巧みな素材使いと収まりの美しさにあると言える。また近年では、地域住民のための集会所や寺院の施設といった公共性のある建築も手掛け、2013年に竣工した「竹林寺納骨堂」（高知県）が高く評価され、「2016年日本建築学会賞（作品）」を受賞した。

本展では、建築の真髄を伝えるべく、代表作である「竹林寺納骨堂」や「阿佐ヶ谷の書庫」を含む14作品による5編の短編映画を制作し、会場で上映する。個々の物語からは、それぞれの建築と月日を共にしてきた施主へのインタビューやそこを訪れる人びとの様子、周囲の環境との関わりなどから、作品のその時々の表情を読み取ることができる。そしてそれらの物語を通して、堀部の建築が、建築家個人の精神の発露であると同時に、施工から完成、その後にいたるまで、多くの人に支えられ共に時を重ねていく存在であることを感じていただけることと思う。

【関連イベント】
●堀部安嗣講演会「建築の居場所」
日時：2017年1月27日（金）　17:30開場、18:30開演、20:30終演（予定）
会場：イイノホール
定員：500名
※参加無料、事前申込制

●ギャラリートーク
※詳細は詳細URLをご覧ください