
Photo credit: ©Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Fondation d'entreprise Hermès
エマニュエル・ソーニエは、1970年代後半より作家活動を開始し、86年のローマにある複合施設「ヴィラ・メディチ」での滞在を経て、おもにガラスを用いた作品で知られるようになる。彫刻家としてのアカデミックな美術表現にとどまらず、社会と積極的に接点をもち、人との対話を通じて歴史を問い直すことに重きをおくソーニエは、制作と並行して、パリ国立高等美術学校にて、研究者・教育者の役割も担う。現在フランス・パリとトルコを拠点とするソーニエは、エルメス財団との親交も深く、財団のギャラリー「La Verrière」での個展に加え、若いアーティスト向けのレジデンス・プログラムにて、メンターを務めた。
ソーニエの彫刻作品は、作家にとって身近な歴史的な出来事や惨事を参照しており、人間の実存について、根源的な問いを投げかけ続けている。ガラスに水や黒いインクを満たしたオブジェは、人間そのものの姿であり、薄い皮膜に覆われ、閉じ込められた人間の身体の重量と、透明になったその存在の脆さや儚さを暗示しているかのようである。
本展は、2017年2月にパリの美術館「パレ・ド・トーキョー」で開催されたソーニエの個展「Black Dancing」から発展し、ジャズ・ピアニストであるセロニアス・モンクへのオマージュとして構想された。1963年に来日公演を行ったモンクの演奏からインスピレーションを受け、楽曲のように3つのパート(tempo I/II/III)を組み立てる。また、さまざまな文脈において、作家活動や哲学を分かち合う親交の深いアーティストたちの作品も同時に紹介され、多様なネットワークを通じて活動を広げる現代作家のあり方に迫る試みである。
開催期間 |
2017/07/14(金)~2017/10/31(火) ※イベント会期は終了しました
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時間 | 11:00~20:00(日曜日は19:00まで/いずれも入場は閉館30分前まで) |
休館日 | エルメス銀座店の営業日に準ずる |
入場料 | 無料 |
参加アーティスト | エマニュエル・ソーニエ |
会場 |
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会場電話番号 | 03-3569-3300 |
会場URL | http://www.maisonhermes.jp/ginza/ |
詳細URL | http://www.maisonhermes.jp/ginza/le-forum/archives/522151/ |