Arisa Kasai Photo Exhibition “NO WHERE, NOW HERE.”

本展の作品は、すべて写真家・葛西亜理沙が独自の視点で“銀座”を5年にわたり撮影したものだ。会場で作品を目にしたとき、恐らく誰もが撮影した場所がすべて銀座だとは気づかないだろう。それは「どのように銀座を切り取るのか」という葛西氏の感性や撮影方法の影響であることはもちろんだが、同じ東京であっても銀座が他の街と違った、独特の発展をしてきたことと関係がある。
明治に起きた二度の大火と関東大震災で被害を受けるたび、銀座はイギリス建築や西洋文化を受け入れ、独自に再生を繰り返してきた特殊な場所なのだと葛西氏は言う。
「過去の惨事を幾度となく乗り越え、更に新しい街に発展させようと築かれてきたこの街は、裏通りや路地に伝統を残しながらも表通りは垢抜けています。海外の大都市に引けを取らないようにと、いい意味でお高くとまってすましている街に私には見えるのです。他の東京の街とは一線を画している感じがします。」
軒を連ねるハイブランドの店先の広告は、パリやニューヨークのそれと変わらない。ネオンが輝き、その下を行き交う人々や信号待ちをする車。しかし雑多ではない。そのクールでハイソサエティな顔を持つ銀座を魅力的に切り取るには、光を選ばなければならないと葛西氏は言う。そのため撮影は、夕刻から夜にかけて撮影することが多い。それは日没後の薄暗くなり始めたブルーモーメントの時に、ネオンや車のライトが付き始め、あらゆるものが窓やガラスに複雑に反射して街が表情を変え、それを自分の視点で写真に取り込めるからだ。
「実際に存在する銀座の一角から、自分の感覚で写真に収めた場所は、一見銀座だとわかりづらく、どこにもない場所に見えるかもしれません。しかし、その場所は、私の写真の中に確実に存在しているのです。」
NO WHERE, どこにもなく、
NOW HERE. 今、ここにある
開催期間 |
2016/04/01(金)~2016/04/28(木) ※イベント会期は終了しました
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時間 | 11:00~19:00(最終日は15:00まで) |
休館日 | 会期中無休 |
入場料 | 無料 |
会場 |
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会場電話番号 | 03-3571-7806 |
会場URL | http://www.sonybuilding.jp/ |
詳細URL | http://www.sony.co.jp/united/imaging/gallery/detail/160401b/ |