建築家・岸 和郎の個展「京都に還る_home away from home」が、TOTOギャラリー･間で開催される。自身のプロジェクトをドローイングと模型のみでプレゼンテーションした「PROJECTed Realities」から15年。今回は2回目の開催となる。

横浜で生まれた岸が1981年に京都に事務所を構えてから30年あまり。京都の歴史や伝統の重圧に押しつぶされそうになりながらも、建築家としての立ち位置を模索し、自身が京都で設計することの意味を問い続けてきた。合理性や秩序を追求するモダニストを標榜してきた岸は、今や、確かな歴史感に立脚した日本的な美を継承しつつ、場所の特性を丁寧に読み解くことのできる現代建築家の第一人者としての評価を確立。拠点の京都のみならず、関西、東京、海外へとその活躍の場を拡げている。

また同時に、京都芸術短期大学（現・京都造形芸術大学）、京都工芸繊維大学、京都大学と、3つの大学において教鞭を執り、多くの建築家を輩出してきた。大学では、設計・デザインの教育のみならず、一建築家として、場所、歴史、文化、都市、自然等々、あらゆる側面からの建築との向きあい方を自身のことばで語る等、設計することの意味を伝えてきた。

本展では、建築家として、また教育者として活動している岸のパラレルな活動の軌跡を、2016年現在の切断面として紹介する。京都をメインとした数多くのプロジェクトに加え、これまで携わってきた3つの大学でのアクティビティ、さらには東京のプロジェクトから近作まで、模型やドローイング、映像等、さまざまな切り口で展示する。

【関連イベント】
●岸 和郎講演会「京都に還る_home away from home」
日時：2016年1月29日（金）　17:30開場、18:30開演、20:30終演（予定）

●ギャラリートーク「空間術講座21　京都に還る」

2016年1月31日（日）
「メディアと京都」
中谷日出（NHK解説委員）

2016年2月7日（日）
「庭と京都」
尼﨑博正（京都造形芸術大学環境デザイン学科教授）

2016年2月14日（日）
「茶と京都」
木村宗慎（茶道芳心会主宰）

2016年2月28日（日）
「茶室と京都」
中村義明（中村外二工務店代表）

2016年3月6日（日）
「花と京都」
池坊専好（華道家元池坊 次期家元）