本展は、青森県内で初めてとなる高橋コレクション展の紹介にふさわしく、草間彌生の貴重な初期作品や、1990年代後半から2000年代を代表する奈良美智、村上隆、会田誠、山口晃らの作品を展示する。さらに若手の竹川宣彰、Chim↑Pom、熊澤未来子、華雪、話題のチームラボまで、絵画の力作を中心に、ユニークな映像、立体作品もご覧いただく。同時代を生きるアーティスト14組の作品をぜひ、体感していただきたい。

今、日本で生活する私たちは、さまざまな問いを抱えている。豊かな暮らしと、自然との共生は両立可能なのか。インターネットによる見えないつながりは、社会をどう変えていくのか。平和は犠牲を伴うものなのか。幸せに老いることはできないのか。子どもたちに、何を継承できるのか…。

これらの問いを、アーティストたちも共有している。草間彌生は、1950年代から一貫して「愛と平和」を世界に問い続け、メッセージを投げかけ続けているのである。時代を鋭敏に感じ取り、作品に反映するアーティストたちの多様なメッセージを受け取ったとき、私たち自身の物語と重ね合わせ、日々の思いを新たにすることができるだろう。