時代の流れを見つめ、アートと向かい合った30年。スパイラルは、その活動テーマ（「生活とアートの融合」）のとおり、異なるジャンルと捉えられてきたものを掛け合わせることにより、新たな価値を生み出してきた。

そして現在、生活とアートは、もはや別のものではなくなり、さらには男女、生死、自然と人工、思想にいたるまで、二頂対立的と考えられてきた社会のあらゆる要素は、その境界が曖昧になり、ひとつながりの連続体となりつつある。

「スペクトラム」とは、英語で“連続体”や“領域”、プリズムを介して生じる“色彩の配列”を意味する。光はプリズムにより多彩な色に分離できるが、色と色の間に境界はない。クリエーションの先端を走る才能たちも、テクノロジーや表現技術の進展により、現代美術、音楽、ダンスなどの既存のありとあらゆるボーダーを超え、国籍も世代も性別も問わず立場を超え、活動領域の連続体の上を自由に動き回り表現を追求している。

本展では、現代の窮屈な日常や、時代の閉塞感に立ち向かい、表現領域にとらわれることなく、多様な文化、思想、表現を吸収しながら新しい価値を提示する作家4名を紹介する。エネルギーに満ちた彼らの作品が、新時代を切り拓く力になると信じ、彼らとともにスパイラルも新しい価値創造に取り組む。

会期中には、出展作家のトークをはじめ、年齢、性別、国籍、障害の有無などを超え、多様な人々が協働でパフォーマンスを完成させる作品など、様々な「スペクトラム」的な表現を紹介する関連イベントを開催予定。

【関連イベント】
●オープニングイベント
高橋匡太作品点灯式
出展作家（栗林隆、榊原澄人、髙橋匡太、毛利悠子）によるトークショー