河井寬次郎と棟方志功 日本民藝館所蔵品を中心に

河井寬次郎と棟方志功 日本民藝館所蔵品を中心に

民芸運動の創始者として世界的に知られる柳宗悦(1889-1961)が創設した日本民藝館には、その考えに賛同し、支えた個人作家の作品が収蔵されている。柳の思想に共鳴した陶芸家・河井寛次郎(1890-1966)と板画家・棟方志功(1903-75)は、よき協力者として柳を実践面で支えた作家たちであった。

柳が唱えた「民芸」の考え方は、さまざまな人々や社会に影響を与えたが、全国各地の職人たちが作り上げた「もの」の美しさから学び、尊んだ河井や棟方のような個人作家の存在は、民芸運動の推進役となって活動を支えた。

日本民藝館が所蔵する河井と棟方の作品は、柳という稀有な思想家がみずからの眼によって収集し、展覧会や出版物で紹介した作品が中心である。その中には、棟方が河井に捧げた板画《鐘溪頌》をはじめ、二人の芸術家を語る上で欠かせない作品が数多くある。また、棟方の作品は柳の案によって河井、濱田をはじめとする個人作家や職人たちの協力を得て表装が施されたものもあり、他のコレクションには見られない特徴となっている。

2015年は棟方の歿後40年、2016年は日本民藝館の創設80周年であり、河井の歿後50年である。本展は日本民藝館が所蔵する二人の芸術家の貴重な作品を中心とした約240点によって、日本の美術史上稀な芸術の共鳴と、その機会を生み出したひとりの思想家の眼を紹介する。

※棟方志功は、板の生まれた性質を大事に扱い、木の魂をじかに生み出すために、「板画(はんが)」という言葉を用いている。

【関連イベント】
●記念講演会
場所:11階講堂
定員:150名
※事前申込制、聴講無料

「歓喜の二人~歓の巻・河井寛次郎~」
講師:鷺 珠江(河井寬次郎記念館学芸員、河井寬次郎令孫)
日時:7月24日(日) 14:00~(13:30開場予定)

「歓喜の二人~喜の巻・棟方志功」
講師:石井頼子(棟方志功研究家、棟方志功令孫)
日時:8月20日(土) 14:00~(13:30開場予定)

開催期間 2016/07/06(水)~2016/08/28(日)
※イベント会期は終了しました
時間 10:00~18:00(金・土は20:00まで/いずれも入場は閉館30分前まで)
休館日 8/1
入場料 一般1,200円/大学生700円/小・中学生・高校生無料
参加アーティスト 河井寬次郎、棟方志功、柳宗悦
会場
  • 千葉市美術館
  • 千葉県千葉市中央区中央3-10-8
会場電話番号 043-221-2311
会場URL http://www.ccma-net.jp/
詳細URL http://www.ccma-net.jp/exhibition_end/2016/0706/0706.html