現代の建築のかたち ―新しい抽象性を求めて 展

アーキテクツ・オブ・ザ・イヤー 2025

ADAN ADAN

大阪の日本橋の家にて、「現代の建築のかたち ―新しい抽象性を求めて 展」が2025年10月25日から11月8日まで開催されます。

—以下、公式サイトの紹介文を抜粋—

実在する建築にはすべてかたちがある。
建築は存在の仕方につねに時代性を反映し、歴史や場所に応じてさまざまに変化を遂げてきた。モダニズムの時代は、テクノロジーの進化が技術的な合理性と機能性をベースとして、建築のかたちは幾何学的なハードエッジが主流となった。そして現代ではエコロジーや環境や情報が背景となって、有機的な曲線と曲面のデザインが顕著に現れ、かたちはますます多様化する方向に向かっている。

2020年、五十嵐太郎氏がキューレーションした「かたちが語るとき-ポストバブルの日本建築1995-2020」が開催された。この展覧会ではバブル期以降に2つの震災を経て、社会性が強く反映された建築が数多く展示された。さまざまなかたちの作品群は複雑で多様であり、相対主義が唱えられた時代を反映した結果ともいえるものであった。強い主張を避ける受動的な相対的価値観は、知的ではあるが排他的な視点にもつながって、個々の存在の単独性が強く現れていた。

環境やコミュニティ、公共性などの主題はこれからも一層深まっていくであろうし、モダニズムのような経済成長が牽引した一方向性ではない不確実な時代に、リアルな建築として都市に楔を打つような建築はどのようなかたちとして現れるのか。また、そのかたちにはどのような抽象性が求められたのか、その概念を言葉で表し、強度を持ったかたちに昇華された作品を求める。

リノベーションはかたちが問われることがない。社会性を強く反映するがゆえに、建築家は具体的な素材や空間的な解決について多弁に語るものの、かたちについてはあまり語られない。社会と密接に関係する市井の人々に届くやさしい言葉が発せられる。かつては建築の自律性が問われた時代があった。建築を語る言説は高度な議論となって閉鎖性を生み出し、一般の人々から乖離していった。しかしながら、都市や建築のプロフェッションの責務としては、構築的な建築的思考と方法論が問われなければならない。作品がリノベーションであっても、デザインに新しい抽象性に繋がる論理的思考が構造形式や形態を生み出し、次代へと繋がる新しい可能性の兆しが見えているものを期待する。

開催期間 2025/10/25(土)~2025/11/08(土)
時間 12:00~18:00(11/9は16:00まで)
休館日 詳細は公式ホームページをご覧ください
入場料 500円
参加アーティスト 宮内智久(宮内智久建築都市研究所)、香月真大(SIA一級建築士事務所)、原田将史+谷口真依子(ニジアーキテクツ一級建築士事務所)、バンバタカユキ+野村直毅 他
会場
  • 日本橋の家
  • 大阪府大阪市中央区日本橋2-5-15
詳細URL https://www.adan.or.jp/news/event/4462