安藤瑠美さんが直感で選んだ、「愛でたい」アイテムたち

安藤瑠美さんが直感で選んだ、「愛でたい」アイテムたち
こんなにモノが溢れる時代に、それでも私たちが「モノを買う」のはなぜだろう?物欲…?はたまた必要に駆られて…?「買う」という行為から、その人らしさや考え方が見えてくるような気がします。

本企画はいわゆる「私の定番アイテム」紹介ではありません。さまざまな職種の方に「さいきん、買ったもの」をうかがい、改めて「買う」ことについて考える…そんな大げさな話ではなく、審美眼のある方々に「買う」にまつわるお話をうかがう、ちょっと軽めの読み物です。

今回登場いただくのはレタッチャー・フォトグラファーの安藤瑠美さん。都市の中にある看板や広告、開口部などをレタッチで消し、都市を裸の状態へと変換するシリーズ「TOKYO NUDE」や、広大なゴミ埋立地である「夢の島」を撮影したシリーズ「DREAM ISLANDS」などの作品を展開しています。そんな安藤さんが最近買ったものとは?

一目惚れした植物

アンティーク食器を鉢にリメイク

アンティーク食器を鉢にリメイク

都会の中に少し緑が入っている風景が愛おしくて、事務所にちょこちょこと緑を置くようにしています。つい先日購入したのが、事務所近くの小さな植物屋で見つけたランの仲間「パフィオペディルム・デレナティイ」です。買った時は片方だけ花が咲いていて、もう片方はつぼみだったのですが、これからの成長を楽しみに育ててみようと思って購入しました。

この植物が入っている鉢もとても素敵なんです。実は、アンティークの食器の裏に穴を開けて、植物を植えられるようにリメイクしたものだそうです。そういったクリエイティブなアイデアと可愛らしさに、すっかりやられてしまいました。思えば中学校の頃、園芸部に所属していたこともあり、昔から植物を愛でる気持ちが養われていたのかもしれません。

個性豊かな表情に惹かれる熊の置物

石を彫って作られた熊の置物

石を彫って作られた熊の置物

これは、北海道を拠点にされている若い作家のユポさんから購入した「石彫りの熊」です。夫へのプレゼントとして購入しました。

数年前に北海道で展示をした際、木彫りの熊の本を出されているギャラリー「TO OV cafe / gallery」のオーナーさんから有名な作家の作品を教えてもらったのをきっかけに、木彫りの熊に魅力を感じるようになりました。その足で近くの古いお店に行き、初めて木彫りの熊を購入しました。

その際に購入したのは、昔小さな男の子が大事に遊んでいて、撫ですぎて耳が溶けるようになくなってしまった熊です。元の持ち主の思いが表れているようなエピソードも含めて惹きつけられました。個体差が激しく、後ろから見たお尻の形もそれぞれ違って可愛らしい工芸品です。

安藤さんがこれまで購入してきた熊

安藤さんがこれまで購入してきた熊の置物

ずっと写真やレタッチという平面の世界で生きてきたからこそ、最近は立体物への憧れが増していて、いつか一生に1回は自分でも立体物を作ってみたいという野望を抱いています。

小学生の時に発売された「セーラームーンのレターセット」

90年代に月刊漫画雑誌『なかよし』の付録として登場

90年代に月刊漫画雑誌『なかよし』の付録として登場

小学生の頃、私は漫画雑誌『なかよし』派で、付録についていたセーラームーンのレターセットがこの世で一番の宝物でした。あまりにも宝物すぎて、なぜか埋蔵金のようにそれを庭の土に埋めてしまったんです。当然どこにあるかわからなくなり、そのまま土に還っていると思います…(苦笑)。

最近になって誰かとその話をしていたら、急に「あのレターセットが欲しい!」と思い立ち、必死に調べました。すると、約30年前のものが奇跡的に売られているのを発見し、万単位の値段ではなかったので「買っちゃえ!」と勢いで購入しました。

1枚1枚絵柄が異なっていて、封筒とシールもついています。もったいなくて絶対に使えませんが、当時のキラキラした思い出が蘇る大切な宝物を、大人になった今、再び手に入れることができました。

買い物について

実はもともとあまり物欲がなく、自分一人で何かを熱心にコレクションするようなタイプではありません。カメラなどの仕事道具に関しても、学生時代は中判カメラの「マミヤ7」を愛用してレンズを集めたりしていましたが、フィルムが高価になった今は強いこだわりも薄れました。

最近の買い物はインスピレーションで選んでいます。そうやって直感で買い物を楽しめるようになったのは、ようやく心に余裕が持てるようになったからかもしれません。車やオーディオといった大きなものよりも、ただ置いておくだけでも自分にとって「愛でたい」と思える、手に収まるサイズ感のアイテムをつい買ってしまうことが多いですね。

タイトル画像:石田和幸 聞き手:岩渕真理子(JDN)