ベルリンで生まれた世界初のシートメタルアイウェアブランド「ic! berlin」

ベルリンで生まれた
世界初のシートメタルアイウェアブランド「ic! berlin」

2014/06/18 UPDATE

Vol.3CEOラルフ・アンダール氏のマルチな才能

ic! berlin成功の要因として、CEOであるラルフ・アンダール氏の強烈な求心力と牽引力が、大きなウェイトを占めている。1998年にデザイン賞を受賞した国際眼鏡展示会「SILMO」では、ラルフ氏が着ていたコートの内側に眼鏡をぶら下げ、会場を歩き回るというゲリラ手法を取ったのは有名な話だ。ic! berlinは、基本的に広告料を払う形での広告戦略を行っていない。しかし、こうした斬新な取り組みは実にニュース性があり、ことあるごとにメディアに取り上げられる。ラルフ氏曰く、「情報を扱う側が、心から興味を持ってくれるような仕掛けを行うのが僕達の役目だと思う。もちろん、失敗もたくさんあるけどね。でも臆せず面白いと思えることを追求するのが僕らしさ。まさしく、外れても工具なしですぐに装着し直せるスクリューレスヒンジそのものだね」。

ic! berlin CEOのラルフ・アンダール氏
ic! berlin CEOのラルフ・アンダール氏

ラルフ氏は、CEOという肩書きの他にアーティストとしての顔も持っている。カタログに自ら出演するだけでなく、モデルの写真撮影を自ら行うこともあるという。また、美術大学出身だけに絵画への造詣も深く、本社には彼が描いた作品が数多く飾られている。さらには、歌手としても活動も。毎年クリスマスに社員達に配られるプレゼントは、ラルフ氏が歌うオペラを収録したCDだとか。日本の文化にも非常に詳しく、日常生活において禅の教えを取り入れているそうだ。

そんなマルチな才能を持つラルフ氏だが、ドイツ人アーティストのフリードリッヒ・リヒテンシュタイン氏とのリレーションシップも実にユニークだ。ニューアルバムのサポートをic! berlinが行う他、カタログや展示会にフリードリッヒ氏がたびたび登場するなど密接な関係にある両者。何を隠そう、フリードリッヒ氏の住居はic! berlinの本社の中にある。彼のパフォーマンスに惚れ込んだラルフ氏が、「スペースも空いているし、面白そうだから」という理由だけで、彼を住まわせているのだとか。プロダクトカンパニーではなくカルチャーカンパニーとic! berlinが評されるのも納得である。

ドイツ人アーティストのフリードリッヒ・リヒテンシュタイン氏
ドイツ人アーティストのフリードリッヒ・リヒテンシュタイン氏

ここまでの話を聞くと、ラルフ氏はいかにも突発型or直感型の人物だと思うかもしれないが、実は文化教育学修士号を取得するなど、ロジカルな一面も同様に持ち合わせている。「美大ではカルチャーやアートを論理的なアプローチから学んでいたんだけど、いつも機能する物で表現したいという欲求を強く持っていた。シートメタルのアイデアとの出会いは、僕に取ってまさに好機だったんだ」。眼鏡業界に革命を起こしたスクリューレスヒンジは、ラルフ氏の人生においても大きな転機となったようだ。

ic! berlin

INDEX

do you know ic! berlin

VOL.1

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handmade in berlin へのこだわり

VOL.2

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CEOラルフ・アンダール氏のマルチな才能

VOL.3

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知れば知るほど面白い、遊び心とブランドフィロソフィー

VOL.4

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