ジャパンデザインネット
レポート
12カ月のパリ
第8回 (2)
A TABLE ! 「さあ。席につきましょう!」
4月30日
Galerie la peripherie (ギャラリー・ラ・ペリフェリ) においても、一晩限りのディナーが開催された。ギャラリストのMartine (マルティンヌ) さんは、“一時的のテーブル”と題する、テーブルを彩どるアイディアの数々を盛り込んだ本を出版したばかりである。GOMAのパリ初の展示会“Baby Attitude”を開催したのもこの空間である。
この日のメニューは、ゴマを使った野菜マリネ、卵、カレーとピタパン、卓球ボール状のライスボール、お菓子の盛り合わせ、スプーンチョコレートなどであった。
ガレージを改装したL字の空間は広々としていて、夕日を心地よく迎え入れる。壁面にはGOMAのグッズが展示され、TAM TAMスツールが正方形のテーブルの周りに配置されていた。“一時的のテーブル”の本でも紹介されているテーブルコーディネートも見られた。カラフルで、子供から大人までがわくわくし、誰でも応用出来る簡単なアイディアが散りばめられていた。
演出は、毎日の食事にも欠かせない。些細なエッセンスがあるだけで、物事の見方が変わる。コップをコップとして利用しなくてもいいではないか。逆さまにして、ローソクをのせれば立派な装飾になる。それに加えて、逆さまにしたコップの中に植物やテキスタイルを入れてあげれば、これはいつもの自分のコップとは思えない。スープをいただいていくと、現れてくるメッセージや写真。単なる2枚のガラス皿の間に挟んでいることだが、自分の口から恥ずかしくて言えない恋人へのメッセージを用意するには、最高のタイミングでもある。時間と空間に多少のタッチを与えてあげるだけで、味覚にも影響する。アイディア一つで誰でも演出できる、日常の“食の時間”をもう少しいたわってあげよう。
「あなたにとって、HAPPYとは何?」そんな言葉がこだましてきたイベントである。
以下、Galerie La Péripherieでの様子 写真は全て©URATA Kaoru
GOMA とマルティンヌさんの合作 ゲストを待つテーブル
マルティンヌさんのテーブルアイディア ガラスボールと花瓶を逆さにしてトーテムに積み重ねた中にナイロン素材を入れている 色を合わせて、ハスの花のローソクをのせた
Galerie La Péripherie の空間
カップに盛られた卵
市場に運ばれてくる果物用のパッケージを、駄菓子入れに利用
2枚のガラス皿の間に、豆電球を入れている
ビュッフェ用のテーブル 頭上には物干しバサミに豆電球をつけた照明
大人の方がはしゃいで、子供の方が静か?
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