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東京藝術大学


感覚覚醒補助具

淡野哲 / 博士デザイン

機能の産物として生まれ出た「機械」。その「機械」に機能的には不必要な機能を持たせることで「芸術」としての発露を立ち現れさせた。 利便を際限なく追求する機能性へのアイロニーと、科学や工学にみられる数値由来に拠らない表現としての機能性を訴求していることが本作品の主たる特徴である。我々が日々感ずる“割り切れない抽象的感覚”を、“割り切れないカタチ”として具象的な動きに変換させた。真鍮やアルミニウムによって現された機械的な表層は、人間らしさを強く拒絶するかのようだが、であればこそ容易に現前としない訴えかけが、人間の深層の記憶を触発させるファクター(動きや形状)によって、時間をかけ我々のこころの“善”なる部分に働きかけると考える。

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