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今回出展されたのは、おもに協賛いただいた20社の最新の商品やデザインコンセプトモデルが中心で、会場には車両、オーディオ・ビジュアル機器やケータイ・パソコンなどの情報機器、オフィスチェア、住宅設備機器、文具などの日用品が並んだ。言うまでもなく、それらはまさに日本が得意とするジャンルであり、その広汎な商品領域は世界の人びとの次なる生活シーンを提案するに足る、日本の産業とデザインのポテンシャルをはからずも雄弁に示すものでもあった。
朝10時30分から夜は23時までと、こちらではちょっと考えられないような長い開会時間の中で、ほとんど途切れることのなかった来場者たちは、おしなべて熱心に展示品に見入り、キャプションを追う。初めて目にする日本製品への素直な興味だろうか、もしかするとそれまで抱いていた日本への好奇心が、目の前の数々のデザインを通じてさらに刺激されていたのかもしれない。会場の隅々までじっくりと見る人が多いため、とにかく来場者の滞在時間が長いことが印象的だったが、とりわけ携帯電話やデジカメ、シャワートイレといった分野は会期中を通じて高い注目を集めていた。前者はコミュニケーションツールとして日本が独自に錬磨してきた高度に洗練されたデザインが、また後者は高いホスピタビリティを内包したデザインが関心を呼んだようである。さらにイタリアという土地柄からか、電動スクーターやシャフトドライブ自転車といった新たな機構をベースにした二輪車にも視線が集まっていた。これらはいずれも、イタリアの生活風土の中でも根付いた分野であるだけに、日本の企業による先進的な取り組みがいっそう強く印象付けられたことだろう。
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