鼻のクリニック東京

先進医療技術を表現したスペースシップ

デザインコンセプト
担当:MS Partner Inc.

「鼻のクリニック東京」は「鼻」に特化して、新しい医療技術で日帰り手術を可能にし、同時に小児専門の治療ユニットを併設した世界でも珍しい取り組みをしています。
先進技術を追求する未来志向な姿勢と患者さんへのホスピタリティー、小児治療への理事長の熱い思いを空間デザインでどう表現するかが課題であり挑戦でした。

先進医療技術の近未来的なイメージと、患者さんが術後に体験する新しい世界のイメージが「宇宙への旅」を想起させ、デザインテーマを「宇宙船=スペースシップ」に設定しました。

患者さんがクリニック内を移動するときに宇宙船体験をするようなシチュエーションと環境を各フロアに展開。
3階の受付は星空が見える宇宙船のラウンジ。子供の待合室への通路は曲線の壁面とガラスの反射を利用して宇宙トンネルを創り、子供達の待合室は緊張が和らぐように木の枝に包まれた空間に鳥の巣を配し、子供達がリラックスして遊んで時間を過ごせるようにデザインしました。

4階は手術室とリカバリールーム。手術室はバックスペースを効率良く共有できるプランニングとし、個々の手術室は弧を描くブルーガラスで宇宙から眺める地球の青い海を表現しました。光のアンジュレーションと青と白の環境によって気持ちを安定させることを目指しました。

5階のラウンジの壁面は着陸した惑星のイメージ。近未来的な家具構成でミニシアターも用意し術中の患者さんのご家族の待合として、術後の休憩場所として利用されます。スタッフ休憩室はアイランドカウンターのあるオープンキッチンで温かみのあるダイニングルームになっています。

3フロア全体で宇宙船をテーマに有機的なフォルムを活かしたストーリー性のあるデザインを意識し、患者さんやスタッフが直線的な箱の中ではなく、有機的なフォルムに包まれて動きやすく同時に心地よく過ごせる空間創りを目指しました。

所在地 東京都中央区京橋1-3-1 八重洲口大栄ビル3階~5階
主要用途 鼻専門クリニック
床面積 1810.072(3階 609.78m2、4階 607.47m2、5階 592.82m2
設計期間 2013年2月〜2014年4月
施工期間 2014年4月〜7月(第二期5階:2014年10月)
竣工 2014年7月(第二期10月)
設計 MS Partner Inc.(瀬戸檀、朱宇煥、立花巧)
施工 トーマネ、東映建工
照明 大光電機、遠藤照明
医療設備 千代田
医療機器 モリタ製作所
音響・弱電設備 セルコ
撮影 坂本博和