- デザインコンセプト
- 担当:小泉設計室
「バスケットゴールが屋内にある家がほしい」。住宅計画時の初期に膨らむ夢の中でも、一番に却下されるようなこの要望に対し、真剣に向き合ってみることにした。
「コートハウス」は、住宅とバスケットコートを組み合わせた家だ。コートと呼ばれる空間は家の中心に位置し、旧来の間取りでいえば玄関ホールかリビングとも言える。実際のバスケットコートの約1/4程の広さ、6mの天井高がある。本物のバスケットリングは正規の高さ(3050mm)に設置されていているが、設計した広さでもフリースロー程度ならストレスなく打てる。
他にも体育館の構成要素を住宅に取り込んでおり、2階の回遊性のあるキャットウォークはライブラリーを兼ねたものとした。体育館に付帯する部室のようにコートの左右に部屋を配置し、壁面は多数ある部室を連想させるような意匠とした。
これらの設計によって住宅は小さな体育館のようになり、体験したことがあるようなないような、広いのか狭いのか分からない、不思議なスケール感を持つ建築となった。体育館という空間に通常何もないように、この住宅にもその余白に多様な可能性を感じさせる。
設計・監理 | 小泉設計室 |
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施工 | 桑高建設 |
構造 | 木造 |
階数 | 2階 |
敷地面積 | 165.29m2 |
建築 | 74.53m2 |
延床面積 | 132.01m2 |
竣工 | 2015年8月 |
撮影 | Toshiyuki Yano |