猛暑や酷暑と言われる暑い夏が過ぎ、ようやく秋の気配が感じられるようになりました。炎天下では出かけるのをためらっていた方も、そろそろ展覧会などに足を運んでみてはいかがでしょうか。
本記事では、編集部が厳選した6つのおすすめのデザインデザイン&アートイベントを会期順に紹介します!
■東京ミッドタウン・デザインハブ特別展「Tokyo Illustrators Society Presents Illustration Works 179人のイラストレーターによるベストワーク展」
東京ミッドタウン・デザインハブにて、ポスター、装丁、パッケージなど、179人によるイラストレーション作品を一挙に見ることができる展示が9月28日まで開催されています。

「先進的な表現」と「社会的流通性」の両面を持ち合わせながら発展してきたイラストレーション。同展では、20代から80代まで幅広い世代が活躍する東京イラストレーターズ・ソサエティ(TIS)会員の仕事を通じて、過去約30年間の表現の変化や社会的役割など、イラストレーションの魅力を改めて紹介しています。
■大どろぼうの家
東京のPLAY! MUSEUMで9月28日まで開催されているのは、おとなも子どもも楽しめる展覧会「大どろぼうの家」です。

「大どろぼうの家」メインビジュアル
許されざる罪人でありながらも、人を惹きつけてやまない「どろぼう」。同展は、最後の盗みに出て留守中の、かの有名な「大どろぼう」の家に来場者が忍び込むという設定で構成した、来場者が主役の展覧会です。
展示には、映像作家の新井風愉さん、イラストレーターの伊野孝行さん、建築家の張替那麻さん、ブックディレクターの幅允孝さん、アートディレクターの名久井直子さん、絵本作家のヨシタケシンスケさんなど、多数のクリエイターが参加。どろぼうや人間の不思議さ、おもしろさを新しい没入体験と共に楽しめる展覧会です。
■つくるよろこび 生きるためのDIY
東京都美術館では、「つくるよろこび 生きるためのDIY」が10月8日まで開催されています。
日曜大工を表す言葉としてよく耳にする「DIY(Do It Yourself/自分でやってみる)」。DIYとは、目の前の問題を自分自身の工夫で解決していくアプローチのことで、より良く生きるための方法であると同時に、不便や困難を乗り越えるための手段でもあります。

同展では、DIYの手法や考え方に関心を寄せる、5組の現代作家と2組の建築家を紹介。身の回りのものでつくる作品や、多様な人が関わる場のデザインに加え、震災や経済的な事情により多くのものを失った人々の切実な営みにも焦点を当てた作品が展示されています。
■Study: 大阪関西国際芸術祭 2025
大阪・関西万博と大阪一帯をつなぐ役割を担う国際芸術祭「Study: 大阪関西国際芸術祭 2025」が、2025年10月13日まで開催されています。
会場は、大阪・関西万博会場をはじめ、安藤忠雄さん設計の大阪文化館・天保山、黒川紀章さん設計の大阪府立国際会議場(中之島)、西成・船場地区など、大阪・関西の象徴的な場所。「アート×ヒト×社会の関係をStudyする芸術祭」としておこなわれ、「ソーシャルインパクト」をテーマに、文化芸術による経済活性化や社会課題の可視化を目指す芸術祭です。
会場ごとにさまざまなアートブログラムが展開されているほか、ドイツ、韓国、EU(欧州連合)などの機関と連携し、グローバル規模でのアートプロジェクトがおこなわれています。
会場:大阪・関西万博会場内、大阪文化館・天保山(旧サントリーミュージアム)・ベイエリア 、中之島エリア(大阪国際会議場)、船場エリア、西成エリア、JR大阪駅エリア、松原市 他
https://osaka-kansai.art/
■静岡市美術館開館15周年記念展「柚木沙弥郎 永遠のいま」
静岡市美術館では、「柚木沙弥郎 永遠のいま」展が10月13日まで開催されています。
東京出身の染色家で、惜しまれつつも2024年に101歳の生涯を閉じた柚木沙弥郎さん。柳宗悦らの民藝の思想に出会い、芹沢銈介のもとで染色の道を歩みはじめましたが、清水や由比で修業時代を過ごした、静岡にもゆかりある作家です。

同展では、染色作品を主軸に、版画や絵本、立体作品などジャンルの垣根を越えて広がった創作活動の全貌を、初公開となる最晩年のコラージュを含む約300点の作品と資料で紹介しています。のびやかな形と美しい色彩による、生命力あふれる作品の数々を見ることができます。
■ギンザ・グラフィック・ギャラリー第409回企画展「田部井美奈 光と図形と、その周辺」
最初に紹介するのは、アートディレクター・グラフィックデザイナーとして活躍する田部井美奈さんの展覧会です。ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)にて、10月22日まで開催されています。

Design: Mina Tabei, Photo: Masaki Ogawa
田部井さんは、2018年に渋谷の書店Utrechtで開催された個展「光と図形」で、光と影をグラフィック要素のひとつとしてとらえた、写真作品によるポスター作品を展示しました。
今回の展覧会では、2018年より追究してきたこの実験作「光と図形」の最新作を、これまで手がけてきたブックデザインやパッケージ、ポスターなどのグラフィックワークの代表作とともに見ることができます。
今回は6つのイベントを紹介しましたが、なかには会期が終了間近のものもあります。気になったらぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。芸術の秋も間近。デザインやアートの魅力にたくさん触れてみてください。
(JDN編集部)