「トイ・ストーリー」や「モンスターズ・インク」「ファインディング・ニモ」など、誰もが一度は目にしたことがある人気作品を数多く生み出してきた、ピクサー・アニメーション・スタジオ。作品はアメリカや日本だけでなく世界中で上映され、多くの人に愛されてきました。
1986年にジョン・ラセター、エド・キャットマル、スティーブ・ジョブズという3人の天才が誕生させたピクサー・アニメーション・スタジオ(以下、ピクサー)は、今年設立30周年を迎えます。これまでの軌跡をたどる展覧会が、5月29日まで東京都現代美術館で開催されています。
ピクサーには、驚くべきことに技術スタッフと同じくらい多くのアーティストやデザイナーたちが在籍しています。彼らはストーリーや映画のビジュアルなどを考える企画の構想段階で、手描きのドローイングやパステル画、デジタルペインティング、彫刻などを数多く生み出し、ピクサー作品の創造性を支えているのだそう。
本展は、そうした創作活動にスポットライトをあて、ピクサーに所属するアーティストたちが映画制作の過程で創り出した多種多様なアートワーク約500点を紹介するもの。ジョン・ラセターがアニメーション映画を制作する上で大切な要素と考える「ストーリー」「キャラクター」「世界観」の3つを軸に作品が展開されています。
観賞する前から作品点数を聞いて驚いていましたが、本当に“お腹いっぱい”と言える盛りだくさん具合。撮影せずにはいられなかったものをいくつか紹介します!
他にも、映画ができるまでの制作プロセスを資料や映像と共に紹介するコーナーなどがあり、ストーリーの世界観やキャラクターをつくる上でのこだわりをひしひしと感じることができます。ひとつひとつの作品を見ていると、「あ!これあのシーンの時だよね?」「ここ泣けるんだよなぁ…」など思い思いの感想が浮かんでくるでしょう。
開幕から1カ月で早くも来場者が10万人を突破したという本展。一人でじっくりと観に行くのはもちろん、誰かと一緒に観に行って意見を交わすのもおすすめです。
石田織座(JDN編集部)
会場:東京都現代美術館
会期:3月5日(土)~5月29日(日)
時間:10:00~18:00(ただし、4月29日~5月28日の金・土・祝日は20:00まで)
※入場は閉館30分前まで
入場料:一般1,500円/高校・大学・専門学校生1,000円/小・中学生500円/未就学児無料 ほか
http://pxr30.jp/